「人馬一体」の境地を極める! 1989年に生まれた名だたるクルマの中でもその登場は最大のインパクトだった|1995年式 ユーノス ロードスター Vol.2

テックアートオリジナルの「TECダンパー TYPEアラゴスタ」でローダウン。前後のフェンダーは、適度に叩き出しされている。

       
【風立ちぬオープンカー】
太陽を浴び、風を受け、四季を感じられるのはオープンカーの特権。
屋根を開ければ、いつもと違う情景や香り、音などに気付くはず。
普段は味わえない開放感や爽快感を肌で感じられるオープンカーはアナタを非日常の世界へ連れて行ってくれるだろう。

【1995年式 ユーノス ロードスター Vol.2】

【1】から続く

 こうして「人馬一体」の境地を極めるために、さまざまな技術やアイデアが取り入れられたロードスターだが、コストを抑えることも命題のひとつだった。そこでエンジンは、ファミリアにも採用されていた1.6LのB6型をFR用にリファインして搭載。内部のフリクションロスの低減や高回転型のチューニングを施し、アクセル操作に素早く反応し、高回転まで滑らかに吹け上がるエンジンフィールに仕立てられた。なお、1993年のマイナーチェンジでは、B6型に代えて1.8LのBP型を搭載。これは以前から指摘されていたパワー不足を補うのが目的で、B6型と比較して最高出力は10 ps、最大トルクは2.0kg‐mアップした。

 ちなみに、ロードスターが登場した1989年といえば、R32GT‐RやZ32、10セルシオといった名だたるクルマがデビューした年でもある。しかし、そのなかでも人々に与えたインパクトは、他車を凌ぐものだった。また、ロードスターの大ヒットを受けて、BMWがZ3、ポルシェがボクスターを登場させたのは有名な話。つまり、ライトウエイトスポーツを現代に復活させたのが、ロードスターなのである。

>>【画像20枚】スタンダードピストンやヘッド&ブロック修正研磨、クランク高回転対策加工といったオーソドックスなメニューながら、モーテックを装着してエアフロレスとなったことで、アイドリングが安定し、レスポンスは各段にアップしたというオーバーホール済みエンジンなど



タイトなコックピットはスポーツカーならでは。ステアリングはディープコーンタイプのMOMO製ドリフティングを装着。サイドブレーキレバーにはスピンターンノブも付く。






センタークラスターには、油温、油圧、水温を収めたデフィ製DINゲージをインストール。これは「ゴチャゴチャしているのが嫌い」という鎌田さんの好みから。





エンジンコントロールの要となるモーテックは、ダッシュボード内に設置。なお、取材車両は旧型のM4を使用しているが、現行のM84を使用すれば、さらに緻密なセッティングが可能となる。


1995年式 ユーノス ロードスター(NA8C)
SPECIFICATION 諸元
全長×全幅×全高(mm) 3955×1675×1235
ホイールベース(mm)  2265
トレッド前/後(mm) 1405 / 1420
車両重量(kg)  980
エンジン型式  BP-ZE型
エンジン種類 直列4気筒DOHC
総排気量(cc) 1839
ボア×ストローク(mm) 83.0×85.0
圧縮比 9.0:1
最高出力(ps / rpm) 130 / 6500
最大トルク(kg-m / rpm) 16.0 / 4500
変速比 1速 3.136 / 2速 1.888 / 3速 1.330 / 4速 1.000 / 5速 0.814 / 後退 3.758
最終減速比 4.100
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ダブルウイッシュボーン(前後とも)
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク / ディスク
タイヤ 185 / 60R14(前後とも)
発売当時価格 175.5万円

【3】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2015年 07月号 vol.30
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1995年式 ユーノス ロードスター(全3記事)

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【1】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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