「SSS」ではなく「SS」。日産を代表するファミリーカー、幸せの青い鳥ブルーバード|1966年式 ダットサン ブルーバード 4ドア 1300 スポーツセダン Vol.1

ダットサンブランドの頂点に位置するブルーバード。グリル中央に誇らしげにDATSUNの文字を配した。

       
【情熱のスポーツユニット】
他人とは違うクルマに乗っている、という優越感や満足感は、旧車乗りの自己主張そのもの。
その極みとも言えるのが、スポーツ仕様のエンジン搭載車を所有することだろう。
高圧縮比、複数キャブレター、ダブルオーバーヘッドカムシャフト、5速マニュアルミッションなど、クルマ好きの心をわしづかみにする、ホットなメカニズムが組み込まれたクルマたち。
数ある中から選び出した5種類のスポーツユニットを眺めながら、ぜひ妄想をふくらませてほしい。

【1966年式 ダットサン ブルーバード 4ドア 1300 スポーツセダン Vol.1】

 日産を代表するファミリーカーであり、コロナとベストセラーの座を競いながら成長していったのがブルーバードだ。その歴史は、2012年に販売を終了したブルーバードシルフィをもって途絶えた。が、メーテルリンクの童話「青い鳥」にちなんで命名された幸せの青い鳥、ブルーバードを愛する人は今も少なくない。

 ブルーバードはダットサン・セダンの後継として開発され、1959年7月に誕生した。初代の310系ブルーバードは空前の大ヒット作となり、ファミリーカーの代名詞となっている。1963年9月、2代目の410系ブルーバードがベールを脱いだ。軽量で剛性の高いモノコック構造を採用し、メカニズムの信頼性にも磨きをかけた。基本デザインは、イタリアの名門、ピニンファリーナが手がけている。


>>【画像21枚】兄貴分の1600SSSと同じように専用のフロントマスクが与えられているスポーツセダン。メッキの横桟グリルの一部をブラックアウトしてスポーティー感覚を強めた。ヘッドライトは上級クラスと同じ4灯式だ。オーバーライダーも装備するバンパーなど



エッジの利いたリアビュー。ボディサイドから見てもリアのラインが大きく変わっていることが分かる。ルーフラインも個性的だ。





リアピラーの根元には赤のチェッカーフラッグをあしらい、その上にSSの文字を載せた。粋な演出だ。





フェンダーに装着されたブルーバードの車名エンブレム。




1966年式 ダットサン ブルーバード 4ドア 1300 スポーツセダン(DP411)
SPECIFICATION 諸元
全長 4000mm
全幅 1490mm
全高 1435mm
ホイールベース 2380mm
トレッド前/後 1206 / 1198mm
最低地上高 175mm
室内長 1710mm
室内幅 1270mm
室内高 1130mm
車両重量 920kg
乗車定員 5名
最高速度 150km / h
登坂能力tanθ 0.407
0→400加速 00.0秒(2名乗車)
最小回転半径 5.0m
エンジン型式 J型
エンジン種類 水冷直列4気筒OHV
総排気量 1299cc
ボア×ストローク 73×77.6mm
圧縮比 9.0:1
最高出力 72ps / 6000rpm
最大トルク 10.2kg-m / 3600rpm
変速比 1速 3.657 / 2速 2.177 / 3速 1.419 / 4速 1.000 / 後退 3.638
最終減速比 4.375
燃料タンク容量 41L
ステアリング形式 リサーキュレーティングボール式
サスペンション前/後 独立懸架(ウイッシュボーンボールジョイント式) / 半浮動式バンジョー型
ブレーキ前/後 ディスク / リーディングトレーリング
タイヤ前後とも 5.60-13 4P
発売当時価格 70.4万円


【2】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年4月号 vol.180
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1966年式 ダットサン ブルーバード 4ドア 1300 スポーツセダン(全3記事)

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photo : EIJIROU AKIMOTO/秋元栄二郎 text : HIDEAKI KATAOKA/片岡英明

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