FC3C、セリカと比べ、新車でシルビアコンバーチブルを購入したオーナー|1989年式 日産 シルビア コンバーチブル Vol.3

デートカーなのに走りもイケる両刀使いのコンバーチブル。

       
【風立ちぬオープンカー】
太陽を浴び、風を受け、四季を感じられるのはオープンカーの特権。
屋根を開ければ、いつもと違う情景や香り、音などに気付くはず。
普段は味わえない開放感や爽快感を肌で感じられるオープンカーはアナタを非日常の世界へ連れて行ってくれるだろう。

【1989年式 日産 シルビア コンバーチブル Vol.3】

【2】から続く

 こうして、歴代シルビアにはなかったオープンモデルをラインナップしたことで、新たな層からも注目されるようになったS13。しかしコンバーチブルは前期にしか設定されず、販売台数はクーペと比較にならないほど少なかった。それだけに現存数は少なく、コンディションの良い個体となると非常に希少。しかし、ここに登場するコンバーチブルは、内外装ともに年式を感じさせない状態を保っている、奇跡的な個体と言えよう。

 オーナーの「こたろう」さんは、オープンカーに乗りたくて、1989年にこの個体を新車で購入。当時は適度なサイズの国産オープンがFC3CとS13、セリカしかなく、4人乗り、そしてデビュー直後ということでS13を選択した。このような経緯で乗り始めたことから、当初はそれほど長く乗るつもりはなかったが、いつの間にかかなりの年月が経過。そして、希少な車種ということで「それならば……」と考え直すようになり、今も大切に所持している。



 現在、車齢は27年にもなるが、これまでに大きなトラブルはなく、機関系はいたって元気。ただし、オープンカーの宿命であるソフトトップの劣化には逆らえず、15年ほど前に張り替え済み。また、経年劣化でヤレてきた内装部品を交換したくても、新品パーツがないことが悩みだとか。ここ数年はあまり乗る機会がないというが、「ここまできたら、可能な限り付き合っていきたい」と話していた。

>>【画像17枚】それなりの広さで、大人が「とりあえず」座れるといった感じながら、シート両サイドにもファブリックがあしらわれ、質感は非常に高い後席など



コンバーチブルのエンジンは1.8L直列4気筒ターボのCA18DET型で、空冷インタークーラーを装備することで最高出力は175psを発揮する。ちなみに、この個体には社外のストラットタワーバーが装着されており、オーナーもその効果は確認済みだとか。



OWNER’S VOICE



「窓が落ちたことぐらいしか故障らしい故障はなく、現在までいたって順調にきました」と話す、こたろうさん。ただ、クルマに大きな問題はないものの、最近はお子さんが乗るのを拒否するため、それがもっぱらの悩みだとか。
 ちなみにオーナーは、もともとスポーツ系のクルマが好きで、以前はDR30のターボCを所有。そして、もし可能であれば、子供の頃に憧れたハコスカGT-Rにも乗ってみたいそうだ。今では希少なS13コンバーチブルは大切に所持しながら、今後はさらに充実したカーライフを楽しんでいただきたい。

1989年式 日産 シルビア コンバーチブル(S13)
SPECIFICATION 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4470×1690×1290
ホイールベース(mm)  2475
トレッド前/後(mm) 1465 / 1460
車両重量(kg)  1250
エンジン型式  CA18DET型
エンジン種類 直列4気筒DOHC
総排気量(cc) 1809
ボア×ストローク(mm) 83.0×83.6
圧縮比 8.5:1
最高出力(ps / rpm) 175 / 6400
最大トルク(kg-m / rpm) 23.0 / 4000
変速比 1速 3.027 / 2速 1.619 / 3速 1.000 / 4速 0.694 / 後退 2.272
最終減速比 4.363
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット / マルチリンク
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク / ディスク
タイヤ 185 / 70R14(前後とも)
発売当時価格 325.2万円


初出:ハチマルヒーロー 2015年 07月号 vol.30
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1989年式 日産 シルビア コンバーチブル(全3記事)

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【1】【2】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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