ETCの装着などの快適性も手に入れながら、クルマ本来の「らしさ」を再現したGT‐B|1967年式 日産プリンス スカイライン 2000 GT-B Vol.3

レーシングカーの走りを手に入れた1台。

       
【プリンスと日産】
スカイラインは日本のクルマ好きにとって、特別なブランドであることは間違いない。
1957年4月、富士精密工業のセダンとして初代プリンス・スカイラインがデビュー。
61年2月に社名をプリンス自動車工業に変更した後は、名実ともにプリンスの屋台骨を支える主力モデルとして進化していく。
2代目S50系時代の66年8月には、プリンスと日産自動車が合併。
今回は、日産スカイラインとして登場した3代目C10系までを「プリンスと日産」シリーズとして紹介していく。

【1967年式 日産プリンス スカイライン 2000 GT-B Vol.3】

【2】から続く

 機動性を高めたGT‐Bは、ETCの装着などの快適性も手に入れている。その他、数え切れないほどの手を加えられ、オーナーが納得できる、ドライビングフィールを実現するに至った。
 長年続けてきた、走るためのレストア。また、同じクルマを造るのは難しいという。それだけの手間ひまをかけたクルマだけあって、愛着はさらに増す。

 クルマ本来の「らしさ」を再現した香取さん。そのスタンスで他にもさまざまなクルマを造ってきた。先日はその繋がりで、あの第2回日本グランプリで観客を沸かせた生沢徹選手とイベントで会うことに。持ち込んだクルマの素晴らしさに本人も感心。香取さんの方向性の正しさを証明してくれたのだ。


>>【画像17枚】日産とプリンスが合併した後のモデルであることを強調するボンネット上にある「Nissan」のエンブレムなど



ウエーバーの3連キャブを装着。エアクリーナーの大きさが印象的だ。バッテリーはリアトランクから移設。





型式プレートにはS54Bの最終形式である3の数字が見える。エンジンはグロリアと同じG7型。最高出力は125psに達していた。



OWNER’S VOICE/日常からレーシングカーに思いをはせて



 オーナーはプリンスガレージかとりの香取孝さん。数多くのプリンス車両を手がけてきたが、このクルマに対する思いは特別。これからもずっと、手元に置いておきたい1台だという。だからこそ、普段から乗れるクルマへと仕上げ、時々、エンジンに火を入れるのが習慣となった。日々、ステアリングを握り、レーシーな感覚を楽しんでいる。



1967年式 日産プリンス スカイライン 2000 GT-B(S54B-3)
SPECIFICATION 諸元
全長 4235mm
全幅 1510mm
全高 1405mm
ホイールベース 2590mm
トレッド前/後 1265 / 1255mm
最低地上高 155mm
車両重量 1095kg
乗車定員 5名
最高速度 180km / h
登坂能力 sinθ0.47
最小回転半径 5.25m
エンジン型式 G7型
エンジン種類 水冷直列6気筒SOHC
総排気量 1988cc
ボア×ストローク 75.0×75.0mm
圧縮比 9.3:1
最高出力 125ps / 5600rpm
最大トルク 17.0kg-m / 4400rpm
変速機 前進5段 / 後退 1段 2~5速 シンクロメッシュ
変速比 1速 2.851 / 2速 1.854 / 3速 1.378 / 4速 1.000 / 5速 0.810 / 後退 3.564
最終減速比 4.444
燃料タンク容量 99L
ステアリング形式 リサーキュレーティングボール式
サスペンション 前/後独立懸架ウイッシュボーン・コイル / リジッド半楕円リーフ
ブレーキ前/後 ディスク / リーディングトレーリング
タイヤ前後とも 5.60-13-6PR
発売当時価格 94万円

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年6月号 Vol.181
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1967年式 日産プリンス スカイライン 2000 GT-B(全3記事)

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【1】【2】から続く

photo : HIDENOBU TANAKA/田中秀宣 text : KEISHI WATANABE/渡辺圭史

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