タイヤは完全につぶれ、知り合いの鉄工所に置いてあった、古いスカイライン|1968年式 日産プリンス スカイライン 1500 デラックス Vol.2

インパネは安全運転を意識してデザインされたもので、特にメーターは無反射式を採用。

       
【プリンスと日産】
スカイラインは日本のクルマ好きにとって、特別なブランドであることは間違いない。
1957年4月、富士精密工業のセダンとして初代プリンス・スカイラインがデビュー。
61年2月に社名をプリンス自動車工業に変更した後は、名実ともにプリンスの屋台骨を支える主力モデルとして進化していく。
2代目S50系時代の66年8月には、プリンスと日産自動車が合併。
今回は、日産スカイラインとして登場した3代目C10系までを「プリンスと日産」シリーズとして紹介していく。

【1968年式 日産プリンス スカイライン 1500 デラックス Vol.2】

【1】から続く

 1963年9月に登場した2代目プリンス・スカイラインは、1967年には最後のモデルとなるS57Dスカイラインが登場。そのS57D型スカイラインは1年間限りのモデルとなった。

 そんな、珍しいクルマと学生時代に出合ったというのがオーナー。古いバイクに興味があり、雑誌の個人売買で知り合った方からクルマの存在を聞いたという。
「知り合いの鉄工所に古いスカイラインが置いてあると言うんです。当時、私がクルマに乗るなんて、まったく考えてもいませんでした。まさか、自分がクルマを手に入れるとは思いもしなかったことです」とオーナー。

 当時、スカイラインの存在やシングルナンバーの意味も知らなかったが、古いバイクを修理しながら乗っていたことで、60年代のクルマに対して抵抗を感じなかったという。
 そんな様子を見て、前オーナーも何かを感じ取ったのか、オーナーを信頼して譲ってくれることになった。
 鉄工所の片隅に置かれていたクルマは鉄粉と落ち葉に覆われ、タイヤは完全につぶれていた。タイヤへ空気を入れ、バッテリーをつなぐと、運良くエンジンがかかったので、そのまま、クラシックバイクを扱うショップへ持ち込み、キャブの調整などを行った。

>>【画像19枚】日産のみの表記も特徴といえる、88psのパワーを誇らしげに表すようなプレートなど



ステアリングはオーナー自身で巻いたという革のカバーで覆われている。その他は当時の雰囲気をそのまま残している。





奥に見えるオーディオは現行のタイプを装着。元のスペースに入れることができなかったので、支柱から作り直して、1DINサイズのオーディオスペースを確保。助手席の足元にはつり下げ式クーラーを装着。





普段使いしているというオーナー。シートにはチャイルドシートが固定されている。シート表皮の傷みが激しいので、自身で製作したシートカバーをかけて使用しているという。



1968年式 日産プリンス スカイライン 1500 デラックス(S57D)
SPECIFICATION 諸元
全長 4100mm
全幅 1495mm
全高 1425mm
ホイールベース 2390mm
トレッド前/後 1255 / 1235mm
最低地上高 175mm
車両重量 920kg
乗車定員 5名
最高速度 160km / h
登坂能力sinθ 0.39
最小回転半径 4,85m
エンジン型式 G15型
エンジン種類 水冷直列4気筒SOHC
総排気量 1483cc
ボア×ストローク 82×70.2mm
圧縮比 8.5:1
最高出力 88ps / 6000rpm
最大トルク 12.2kg-m / 4000rpm
変速機 前進4段 / 後退 1段 オートシンクロメッシュ式
変速比 1速 3.523 / 2速 2.125 / 3速 1.355 / 4速 1.000 / 後退 3.523
最終減速比 4.111
燃料タンク容量 40L
ステアリング形式 リサーキュレーティングボール式
サスペンション 前/後 独立懸架ウイッシュボーンボールジョイント / 半浮動式半楕円リーフ
ブレーキ前/後 リーディングトレーリング
タイヤ前後とも 5.60-13-4PR
発売当時価格 64.4万円

【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年6月号 Vol.181
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1968年式 日産プリンス スカイライン 1500 デラックス(全3記事)

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【1】から続く

photo : HIROTAKA MINAI/南井浩孝 text : KEISHI WATANABE/渡辺圭史

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