初代限りで消滅した、TR-X|1984年式 日産 レパード TR-X 2ドア ハードトップ ターボ SGX Vol.2

LEPARDのネームが入るリアバンパー。リアフェンダー後部にあるドラフターは、室内の汚れた空気を車外に放出する役目がある。

       
【時代の主役を争った2台のハイソカー|プライドをかけた戦い ソアラvsレパード】

80年代初頭に巻き起こったハイソカーブームにおいて、欠かせない存在がソアラとレパード。
両車とも各メーカーの最高級パーソナルカーとして開発され、2世代に渡ってしのぎを削った。
この戦いは両メーカーが威信を賭けた、負けられない戦いだったのだ。

【1984年式 日産 レパード TR-X 2ドア ハードトップ ターボ SGX Vol.2】

【1】から続く

 こうした新機構が数多く採用された一方で、エンジンは従来からのL型&Z型を搭載。1981年にはターボのL20ET型、1984年には3LV6ターボのVG30ET型が追加されたが、最新のDOHCテクノロジーを取り入れ、全グレード直6エンジンで勝負してきたソアラに、大きく水をあけられてしまったことは否めなかった。とはいえ、独創的なスタイリングと時代を先取りした技術が人々の心をつかみ、今でも熱心なファンに愛されていることは事実。商品的には初代ソアラに後塵を拝してしまったが、クルマとしての魅力は決して見劣りしていなかったのではないだろうか。なお、ボディバリエーションは4ドアハードトップと2ドアハードトップをラインナップし、レパードを日産店で、兄弟車の同TR‐X(トライ・エックス)をチェリー店で販売。そしてTR‐Xは、この初代限りで消滅してしまったのだ。

>>【画像18枚】1981年7月に新搭載された、6気筒ならではの高い静粛性とターボ特有の力強い加速が同時に味わえるパワープラント、L20ET型など







上面を低くし、視界の良さと彫刻的な造形を用いたというインパネ。後期では、光通信ステアリング装着車も設定された。





取材車両は純正オーディオのままで、オーナーはいまだにカセットテープも使用。なお、上級グレードには8スピーカーを装備する。





後期L20ET型搭載車のATは4速。ODスイッチはノブ別体で、セレクター右上に設置される。






同じターボSGXでも2ドアと4ドアではシートの素材が異なり、2ドアはモール糸平織。運転席にはランバーサポートの調整機構が付く。



1984年式 日産 レパード TR-X 2ドア ハードトップ ターボ SGX(F30)
SPECIFICATION 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4630×1690×1345
ホイールベース(mm)  2625
トレッド前/後(mm) 1400 / 1385
車両重量(kg)  1250
エンジン型式  L20ET型
エンジン種類 直列6気筒SOHCターボ
総排気量(cc) 1998
ボア×ストローク(mm) 78.0×69.7
圧縮比 7.6:1
最高出力(ps / rpm) 145 / 5600
最大トルク(kg-m / rpm) 21.0 / 3200
変速比 1速 2.842 / 2速 1.542 / 3速 1.000 /
4速 0.686 / 後退 2.400
最終減速比 3.900
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット / セミトレーリングアーム
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク / ディスク
タイヤ 195 / 70R14(前後とも)
発売当時価格 209.3万円(5速 MT)

【3】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2015年 07月号 vol.30
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1984年式 日産 レパード TR-X 2ドア ハードトップ ターボ SGX(全3記事)

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【1】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : MAKOTO INOUE/井上 誠

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