「もっとあぶない刑事」での劇中車に使用され、今日でも根強いファンに愛されている|1990年式 日産 レパード アルティマ V30 ツインカム Vol.2

インパネのデザインはマイナーチェンジで大きく変化。ダッシュボード上部はなだらかな傾斜となり、開放感が大きく増した。

       
【時代の主役を争った2台のハイソカー|プライドをかけた戦い ソアラvsレパード】

80年代初頭に巻き起こったハイソカーブームにおいて、欠かせない存在がソアラとレパード。
両車とも各メーカーの最高級パーソナルカーとして開発され、2世代に渡ってしのぎを削った。
この戦いは両メーカーが威信を賭けた、負けられない戦いだったのだ。

【1990年式 日産 レパード アルティマ V30 ツインカム Vol.2】

【1】から続く


 インテリアでの変更点も数多い。最も大きな部分はダッシュボードで、それまで「絶壁」と揶揄されるものだったが、助手席側がなだらかに傾斜し、開放感が得られるような形状になった。合わせて、センターコンソールのデザインを変更。さらに、スイッチ類のデザインも改められ、グッと現代的になったのである。

 そして、最も大きなトピックと言えるのがエンジン。前期の3Lは自然吸気のみだったが、ターボのVG30DET型を新搭載。このエンジンは、シーマに先に採用されたものの、実はソアラに対抗するレパード用として開発されたということは有名な話。さらに、2Lも従来のVG20ET型に代え、DOHCのVG20DET型が搭載されるようになった。このように、2Lも3LもDOHCターボとなったことで、動力性能ではソアラと対等に渡り合えるようになったのである。こうして着実に進化した後期は、「あぶない刑事」の続編「もっとあぶない刑事」での劇中車にも使用され、今日でも根強いファンに愛されている。

>>【画像27枚】最高出力は185psにとどまるが、自然吸気らしいシャープなレスポンスと滑らかな吹け上がりが魅力。国産車初のV型4カム24バルブとなったVG30DE型など




後期はアナログのホワイトメーターを全車に採用。タコメーター下部には、スーパーソニックサスペンションのインジケーターが見える。





センタークラスターのスイッチ類は、後期でデザインが改められて現代的になった。





アルティマV30ツインカムではオプション扱いになるAVシステム。ATセレクター前には、専用リモコンを収納するスペースもある。






純正のフロアマットも極上のコンディションを維持。長い毛足が高級パーソナルクーペにマッチしている。



1990年式 日産 レパード アルティマ V30 ツインカム(F31)
SPECIFICATION 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4805×1690×1370
ホイールベース(mm)  2615
トレッド(mm) 1435(前後とも)
車両重量(kg)  1460
エンジン型式  VG30DE型
エンジン種類 V型6気筒DOHC
総排気量(cc) 2960
ボア×ストローク(mm) 87.0×83.0
圧縮比 10.5:1
最高出力(ps/rpm) 200/6000
最大トルク(kg-m/rpm) 26.5/4400
変速比 1速2.785/2速1.545/3速1.000/
4速0.694/後退2.272
最終減速比 4.083
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット/セミトレーリングアーム
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 215/60R15(前後とも)
発売当時価格 323.1万円



【3】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2015年 07月号 vol.30
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1990年式 日産 レパード アルティマ V30 ツインカム(全3記事)

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【1】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : AKIO HIRANO/平野 陽

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