レパードが投入してきた「技術の日産」を象徴する新技術たち|1987年式 日産 レパード アルティマ Vol.2

全面カラー液晶のグラフィカルデジタルメーターを装備。ブルーの盤面と立体的なグラフィックが斬新。

       
【時代の主役を争った2台のハイソカー】

80年代初頭に巻き起こったハイソカーブームにおいて、欠かせない存在がソアラとレパード。
両車とも各メーカーの最高級パーソナルカーとして開発され、2世代に渡ってしのぎを削った。
この戦いは両メーカーが威信を賭けた、負けられない戦いだったのだ。

【1987年式 日産 レパード アルティマ Vol.2|プライドをかけた戦い ソアラvsレパード】

【1】から続く

 レパードが投入してきた「技術の日産」を象徴する新技術。エンジンでは、国産車初の4カム24バルブを実現したVG30DE型などを採用してきた。一方サスペンションは、超音波センサーで路面状況などを検知し、電子制御でダンパーの減衰力を自動で切り替えるスーパーソニックサスペンションを採用。プレステージスペシャリティーカーにふさわしい走りを実現したのである。また、先にR31スカイラインに採用されたカセットセレクターやカードエントリーシステムのほか、斬新なデジタルメーターや世界初のパートナーコンフォートシートなど、装備類も新技術&最先端のオンパレードとなっていたのだ。

 こうして当時の持てる技術が惜しみなく投入されたレパードは、ライバルのソアラに遅れをとりつつも、ファンの心をつかむことに成功。もちろん、エアフローフォルムと呼ばれるエクステリアデザインに憧れを持った人も多いことだろう。そして、レパードの人気を決定づけたのが、テレビドラマ「あぶない刑事」である。同ドラマで横浜の街を疾走し、派手なカーアクションを披露するレパードの姿が若者の心をつかみ、確固たる人気を獲得。オーナーも、そんなレパードの姿に心を奪われたひとりだった。

>>【画像18枚】運転席側ドアは、ノブにあるスイッチで操作。キャッシュカードと同等サイズのカードキーを携帯しておけば、施錠/解錠ができるカードエントリーシステムなど





切り立った壁のようなダッシュボードの造形は、当時の日産車によく見られたもの。ステアリングにはオートスピードコントロールのスイッチも付く。






ステアリングコラム左側には、電子制御パワーステアリングの切り替えスイッチやパーキングランプのスイッチを設置。


1987年式 日産 レパード アルティマ(F31)
SPECIFICATION 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4680×1690×1370
ホイールベース(mm)  2615
トレッド(mm) 1435(前後とも)
車両重量(kg)  1460
エンジン型式  VG30DE型
エンジン種類 V型6気筒DOHC
総排気量(cc) 2960
ボア×ストローク(mm) 87.0×83.0
圧縮比 10.0:1
最高出力(ps/rpm) 185/6000
最大トルク(kg-m/rpm) 25.0/4400
変速比 1速2.458/2速1.458/3速1.000/4速0.686/後退2.182
最終減速比 3.900
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット/セミトレーリングアーム
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 215/60R15(前後とも)
発売当時価格 383.7万円


【3】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2015年 07月号 vol.30
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1987年式 日産 レパード アルティマ(全3記事)

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【1】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : AKIO HIRANO/平野 陽

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