R30というクルマを見ると放っておけなくなる。朽ちかけた無残な状態の時に出合った1台|1984年式 日産 スカイライン HT 2000 ターボ インタークーラー RS-X Vol.2

操作性と快適性をハイレベルで両立。ダッシュ周りは極力オリジナルのテイストを損ねないようにカスタマイズ。ロールケージはクスコの8点。クロスバーは普段は取り外されている。

       
にらみをきかせる薄型ヘッドライトに、ラジエーターグリルレスの特徴的な意匠。通称鉄仮面。DR30は、スカイライン史上もっとも個性的なマスクが与えられたモデルだ。好き、嫌いにかかわらず、その顔は1度見るとまぶたに焼きつく。関西在住のオーナーは、そんなキャラの立つDR30を、独創のアプローチで一段と希少な存在に仕立てる。ターボレス、4スロ、そしてハイブリッドサス。ファミリーユースという愛し方も彼なればこそ。

【1984年式 日産 スカイライン HT 2000 ターボ インタークーラー RS-X Vol.2】

【1】から続く

 話を聞けば聞くほどに、オーナーはR30というクルマを見ると放っておけなくなる性分なんだと感じた。案の定、オーナーはこのDR30が朽ちかけた無残な状態の時に出合い、今の雄姿に復活させていた。そして、その出合いと行動は、前に乗っていたDR30の時とほとんど同じ。

 ぞっこんというわけではないが、きっと共感する何かがある。R30と独特な関係を続けるオーナーの、愛車のチューニングスタイルや付き合い方は、これまた独特だった。

 例えばエンジン。現車は性能面でいえば高出力仕様のRSターボなのだが、あえてタービンをキャンセルし、NA仕立てにする。どうしてか?

>>【画像32枚】ECUはアペックスのパワーFC(S15用)で制御している。オーナーはセッティングもすべて自分でやるらしい。それに伴いSR20型用に変更されているピックアップなど




メーターはスタックメーターで一括表示。





サーキットアタックカウンターを搭載。中川さんのDR30はエアコンレス。操作パネルはダミーで、気分だけ味わおうという趣向だ。




エアロはフロントリップのみ。オリジナルを基調にローダウンのみで勝負する。絶妙なセッティングのキャンバー角は前後ともに5度だ。


1984年式 日産 スカイライン HT 2000 ターボ インタークーラー RS-X(DR30)
SPECIFICATION 諸元
●エクステリア:純正レッドオールペイント(やや濃い目)、前後フェンダーたたき出し(約2cm)、
 FRPフロントスポイラー/ボンネット
●エンジン:FJ20DET型改2.1LNA仕様(2018cc:ボアφ91mm×ストローク80mm、圧縮比11.5:1)、
 亀有製鍛造φ91mmハイコンプピストン(重量合わせ)、ライジング製H断面コンロッド、クランクシャフトバランス取り、
 HKS製ハイカム(IN288度、EX272度)、軽量ビッグバルブ(INφ35.5mm、EXφ30.5mm)、
 他車用強化バルブスプリング加工流用、オイルパン加工

●点火系:SR20型用ダイレクトイグニション
●吸気系:φ50mm4連スロットル
●制御系:アペックス製S15用パワーFC
●排気系:4-2-1ステンレスタコ足、オールステンレスマフラー(ターボ用)
●駆動系:R32用シングル強化クラッチ、R200LSD(シム増し、ファイナル4.3)
●足回り:S13用アペックス製車高調改油圧シリンダー付きハイブリッド(前後10kg/mm)、
 S13用ナックル改、リアメンバー加工、スタビ取り付け位置変更
●ブレーキ:S15用4ポットキャリパー
●タイヤ:ブリヂストン・ポテンザRE71 (F)205/50R16 (R)225/45R16
●ホイール:ワーク・マイスターCR-01(F)16×8.5J ±0 (R)16×9.5J +1
●内装:スタック製メーター、ブリッド製シート、サベルト製ハーネス、クスコ製8点式ロールケージ

【3】に続く

初出:ノスタルジック スピード 2018年2月号 vol.015
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1984年式 日産 スカイライン HT 2000 ターボ インタークーラー RS-X(全4記事)

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【1】から続く

text : ISAO KATSUMORI(ZOO)/勝森勇夫(ズー)photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス)

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