ボンネット出しのマフラーも! サーキット走行を楽しむため、S13シルビアのコンパクトで軽量なボディにフル補強とパワーを与える|1988年式 シルビア K's Vol.1

エンジンルームの熱を逃がすため、かなり浮かせてセットされているボンネット。

       
オーバー500psのパワーに、超高剛性なライトウエイトボディ。ツモリエンジニアリングが、1人のサーキットフリークのオーダーを受けてチューニングしたS13シルビア。開発当初は、多くの昭和生まれの車両のように、現車もすでに朽ちゆく寸前、見るも無残な状態。今はそんなネガティブなイメージは微塵もない。その世代のクルマに精通するチューナーだからこそできた復活劇。S13はまだまだ速く、面白いクルマだ。

【1988年式 シルビア K’s Vol.1】

 S13シルビアの魅力はなんといってもコンパクトで軽量なボディにある。後継モデルのS14と比べて、全長が40mm短く、ウエイトは実に120kgほども 軽い。トップスピードよりもコーナリングスピードの速さが重視されるサーキットで、この軽さはかなりのアドバンテージだ。

 そして、このS13のオーナーが、同車をチューニングのベース車両として選んだ一番の理由も「軽さ」だったらしい。タイム的にも車格的にも、それまでのEKシビックからのランクアップを目的としたオーナーのマシンの変更。とはいえ、走りの軽快感を欠く重量級のクルマを選ぶつもりは毛頭なかったと話す。

「これまでサーキット用として乗っていたクルマはシビックのEK9です。昔から、軽さには絶対にこだわりたい性分で、ある意味それはエンジンのパワー以上です。そんな僕にとってS13の軽さは非常に魅力的です。それは、ブレーキングにも、旋回にも、そして加速にも、走りのすべてに利いてくるパフォーマンスですから」。

>>【画像38枚】φ60mm→φ76mm→φ80mmとメインの太さが微妙に変化するワンオフ製作したボンネット出しのマフラーなど



軽さの上にも軽さを追求したボンネットはFRPだ。






サーキットタイムアタックを目的に製作。ルックスよりもあくまでも走り重視。車高はそれほど低くしていない。





マシンメイクは馴染みのチューニングガレージ、ツモリエンジニアリングにオーダー。オーナーは同社の若きチューナー、津守玲央さんの大ファン。


1988年式 シルビア K’s(S13)
SPECIFICATION 諸元
●エクステリア:オリジナルグリーンオールペイント、ボディフルスポット増し&補強、FRPボンネット
●エンジン:CA18DET型改、鍛造ピストン、トラスト製グレッディTD06タービン
●点火系:ダイレクトイグニション
●吸気系:トラスト製インタークーラー、ワンオフサージタンク、インフィニティ用ビッグスロットル、
 ブローオフバルブ、ワンオフサクションパイプ
●燃料計:SARD製280ccインジェクター/コレクタータンク
●制御系:ハルテック
●排気系:ワンオフタコ足、HKS製ウェイストゲート
●駆動系:OS技研製ツインプレートクラッチ
●足回り:RG車高調、アーム&メンバー補強
●ブレーキ:R32用4ポットキャリパー、ウィルウッド製マスターシリンダー(マスターバックレス)
●タイヤ:アドバンA050 225/50R15
●ホイール:ワーク・マイスターS1 15×8.5J +5
●内装:ハルテックIQ3メーター、ブリッド製バケットシート、タカタ製フルハーネス、ロールケージ

【2】に続く

初出:ノスタルジック スピード 2018年2月号 vol.015
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1988年式 シルビア K’s(全3記事)

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text : ISAO KATSUMORI(ZOO)/勝森勇夫(ズー) photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス)

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