リアのロワアームは分解して専用塗装が施され、ベアリングやダストシールは新品に交換| 1983年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000 ターボRS Vol.2

スカイラインを象徴する丸型テールランプ。テールレンズは絶版新品パーツをインストールしている。

       
ハチマル車でもっとも人気の高いDR30スカイライン。2015年に取材したこの車両は、DR30のプロショップとして名を馳せている「ユーティリタス」が手掛けたもの。同2月末に開催されたノスタルジック2デイズでも展示されていた車両で、実際に会場でその美しい姿に目を奪われた読者も多いことだろう。今回はレストアの全貌を美しい写真とともに紹介していこう。

【 1983年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000 ターボRS Vol.2】

【1】から続く

 下回りを含めたシャシーのレストアも得意とするところで、「ボディをバラしてオールペイント」というだけではない。たとえば、リアのロワアームは分解して専用塗装が施され、ベアリング(インナー&アウター)やダストシールは新品に交換するとともに、グリスの入れ替えやブッシュ圧入交換も実施。さらに、各ボルトやナット類も新品もしくは再メッキ品に交換するなど、見えないところまで手を入れていく。このような手法でクロスメンバーなどを仕上げていくほか、タイロッドとアイドラアームをリビルト品に、ブッシュとブーツ類を新品に交換している。今回は残念ながら写真では紹介できないが、防サビ処理と専用塗装が施された下回りのキレイな仕上がりは、丁寧な仕事を表す個所のひとつでもある。

 また、ブレーキキャリパーも徹底的にオーバーホールを実施している。「ブレーキは安全にかかわる大事な個所。DR30は製造から30年もたっているので、点検整備から目を背けることはできません」とユーティリタス池谷さん。「しっかりと性能を発揮するためのオーバーホールですが、ビジュアル的にも美しく仕上げることで、DR30に対する情熱も高まるんじゃないですか」と付け加えた。

>>【画像23枚】リフレクターにクロームメッキを再施工したほか、ゴム類やプラスチックパーツは新品もしくは良品リビルトをインストールしているオーバーホールしたヘッドライトなど



同店オリジナルの車高調で足回りをリフレッシュ。同時にブレーキのオーバーホールやフェンダー内塗装も実施。





マフラーはジェネシス製ステンレスの新品を新たに装着した。






サイドのデカールは新品に張り替え。DR30のアイコンとなるアイテムだけに、高いクオリティーが求められる部分だ。



1983年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000 ターボRS(DR30)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4595×1665×1360
ホイールベース(mm) 2615
トレッド前/後(mm) 1410 / 1400
車両重量(kg)  1175
エンジン型式  FJ20ET型
エンジン種類 直列4気筒DOHCターボ
総排気量(cc) 1990
ボア×ストローク(mm) 89.0×80.0
圧縮比 8.0:1
最高出力(ps / rpm) 190 / 6400
最大トルク(kg-m / rpm) 23.0 / 4800
変速比 1速 3.321 / 2速 1.902 / 3速 1.308 / 4速 1.000 / 5速 0.833 / 後退 3.382
最終減速比 3.900
ステアリング ボールナット
サスペンション前/後 ストラット / セミトレーリングアーム
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク / ディスク
タイヤ 195 / 60R15(前後とも)
発売当時価格 269.1万円


【3】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2015年 07月号 vol.30(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1983年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000 ターボRS(全5記事)

関連記事: 2台のDRスカイライン

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【1】から続く

text : Rino Creative / リノクリエイティブ photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE) / 藤井元輔(サルーテ)

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