リアウインドー下部に排気ベントのつく初期モデルも。「オリジナル」と「ローマイレッジ」にこだわる。旧車生活を続ける努力とは|1975年式 ダットサン 280Z Vol.5

このZもブウさん自慢の1台。沖縄で新車購入され、そのままアメリカへ送られたという不思議なヒストリーを持つ、1970年式日産フェアレディZ-Lである。リアウインドー下部に排気ベントのつく初期モデルである。2012年にサクラメント市で見つけ、自走できない状態にもかかわらず1万2000ドルという額で購入。

       
手に入れにくいからこそ、手に入れたい……この気持ちは世界共通なのかもしれない。クルマ好きの日本人の一部が左ハンドルの輸入車に乗りたいと思うのと同じように、アメリカのニッポン旧車好きの中ではJDM(日本国内仕様)にこだわる人もけっこう見かける。今回取材したオーナーも「オリジナル」と「ローマイレッジ」にこだわりがあるようで、自分好みのS30Zをコレクションしていた。

【1975年式 ダットサン 280Z Vol.5】

【4】から続く

 ブウさんのクルマに対するキーワードは「オリジナル」と「ローマイレージ(低走行距離)」。クラシックカー市場でZの出物を見つけると、まるで勢いに任せるかのように、とにかく買っておこうと思ってしまうようだ。なぜなのだろう。

「一度など、かなり状態のいいフェアレディZを見つけて、購入の話を進めていたんです。ところが、それはオークションでも何でもなかったのに、他の人にまるで横取りされるかのように、あっという間に買われてしまったことがあったんです」
 日本旧車の、中でも希少車が相当の取り合いになっている様子を、自分の苦い経験から紹介した。

>>【画像14枚】一昨年オレゴン州ユージン市で購入して運んできた、安かったから買ったという1971年式のオートマの日産フェアレディZ-Lなど



キャビンはまだ散らかった状態のまま。シフトレバーの手前に並んだ2つのレバーのうち、左側はチョーク。右側はスロットルレバーで、ごく初期のS30Zのみに装備されていた。マニュアルのクルーズコントロールのように使えるとブウさんは説明。



後部には小さなリアシートが備え付けられていたようだ。




初出:ノスタルジックヒーロー 2016年 10月号 Vol.177(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1975年式 ダットサン 280Z(全6記事)

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text & PHOTO:HISASHI MASUI/増井久志

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