トラックメーカーの日野自動車が造っていた乗用車! コンテッサ900S 1

日野コンテッサ900S

       
HINO CONTESSA 900S

日野コンテッサ900S

 

 

 今はトラックやバスの製造メーカーである日野自動車。だが、1953年から、ルノー4CVのライセンス生産を開始し、そこから学んだノウハウを元に、リアエンジン/リアドライブの日野コンテッサを開発した。61年に発売されたコンテッサは、スタンダードとデラックスの2グレードで、エンジンは、893cc水冷直列4気筒OHVが、リアのトランクに搭載されていた。

 このコンテッサ900をベースに、各部にレース用のチューニングを施して、63年に鈴鹿サーキットで開催された「第1回日本グランプリ」に参戦。見事にツーリングカークラス(700〜1000cc)で優勝をとげ、スポーツカークラス(1300cc以下)でも2位という輝かしい成績を残したのだ。

 日本グランプリの好成績によって注目を集めたコンテッサは、翌64年にエンジン、ギアボックス、サスペンション、シートなどを変更したスポーツ・サルーンをラインナップに追加。それがここで紹介する「コンテッサS」だ。

 

グリルレスの特徴的なフロント回りのアクセントに、ボンネットの先端には「Hino」の文字が書かれたエンブレムが装着される。

 

ボディ両サイドのエアスクープは、トランクの奥に設置されたラジエターにあてる空気を取り込むためのもの。

 

リアウインドーとトランクフードの間には、給油口(右)とラジエターの冷却水を入れるためのキャップがレイアウトされる。

 

フロントトランクは、5人分の荷物が入るスペースが確保されていて、スペアタイヤとジャッキがトランク前部にセットされる。スペアタイヤの右側に見えるダクトがリアまで延びていて、エアクリーナーにつながっている。



掲載:ノスタルジックヒーロー Vol.141 ノスタルジックヒーロー2010年10月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Hachimaru Hero/編集部 photo:Satoshi Kamimura/神村 聖

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