定年を迎え帰国し、整備開始! 路上復帰へ|毎年細部のデザインが変更されていた初代サニー|1967年式 ダットサン サニー 1000 デラックス Vol.3

デビュー時は2ドアセダンとバンで、後に4ドアセダン、トラック、2ドアクーペといったバリエーションが派生。このボディカラーはサンセットグレー。

       
【1967年式 ダットサン サニー 1000 デラックス Vol.3】

【3】から続く

 1967年のマイナーチェンジでサニーに登場したフロアMT車。通称スポーツシリーズと呼ばれ、この時にスポーツスタンダード、スポーツデラックスというグレードが派生した。

 その文法のとおり日産ヘリテージコレクションに1967年式のスポーツデラックスがあり、このトランク後端にはスポーツの専用エンブレムが付いている。ところがオーナーのサニーにはスポーツのエンブレムがない。ごく初期の4速フロアMT車には、スポーツエンブレムが付かなかったのかもしれない。

 初代サニーは毎年細部のデザインが変更されており、もし年式違いでサニーが並んだらこの違いを注目してみるのも楽しい。この取材がされた2016年は、サニー50周年。これにちなんで、11月20日に東京お台場で開催された旧車天国にて今回取材のオーナーのサニーを含め、4ドアスポーツ、トラック、クーペなどが勢揃いした。

>>【画像22枚】イベントで知り合った初代サニーオーナーから譲り受けた当時物で、ボルトオンで装着できたという、オーナメントと同じサニーのデザインがあしらわれたマッドガードなど



A10型988ccエンジンは56psを発揮。名機と言われるA型エンジンの始祖だ。





タペットカバーにはダットサン1000の文字。オイルフィラーキャップもオリジナルのまま、日産エレファントオイルのロゴが見える。





台番号の刻印と型式プレートは一般的なバルクヘッドではなく、右フロントのインナーパネル側にある。


OWNER



オーナーは20年ほど前、サニーを手に入れてすぐ仕事で海外への赴任が決まり、15年あまりサニーに乗ることができなかった。5年前に定年を迎え帰国すると、ホコリをかぶっていたボディを磨き上げ、知り合いの整備士に徹底的に整備してもらい、路上復帰を果たした。以来大きなトラブルなく、各地の旧車イベントにサニーで出かけるのを楽しみにしている。


1967年式 ダットサン サニー 1000 デラックス(B10)
SPECIFICATIONS 諸元
全長 3820mm
全幅 1445mm
全高 1345mm
ホイールベース 2280mm
トレッド前/後 1190 / 1180mm
最低地上高 160mm
室内長 1630mm
室内幅 1255mm
室内高 1100mm
車両重量 645kg
乗車定員 5名
最高速度 135km / h
登坂能力 0.422sinθ
最小回転半径 4.0m
エンジン型式 A10型
エンジン種類 水冷直列4気筒OHV
総排気量 988cc
ボア×ストローク 73.0×59.0mm
圧縮比 8.5:1
最高出力 56ps / 6000rpm
最大トルク 7.7kg-m / 3600rpm
変速機 オールシンクロメッシュフロア式前進4段 / 後退 1段
変速比 1速 3.757 / 2速 2.169 / 3速 1.404 / 4速 1.000 / 後退 3.640
最終減速比 4.111
燃料タンク容量 35L
ステアリング形式 ボール循環式
サスペンション前/後 ウイッシュボーン横置リーフ / 半浮動式バンジョー型半楕円リーフスプリング
ブレーキ前/後 ツーリーディング式ドラム / リーディングトレーディング式ドラム
タイヤ前後とも 5.50-12-4PR
発売当時価格 46万円



初出:ノスタルジックヒーロー 2016年12月号 Vol.178(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1967年式 ダットサン サニー 1000 デラックス(全3記事)

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【1】【2】から続く

photo : DAIJIRO KORI/郡 大二郎

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