順番もいつまで待ってもかまわないと思った。約1年半待って、チューニングを開始|1971年式 ダットサン ブルーバード DX Vol.3

ステアリングはオーナーが大好きなダッツンコンペ。タコメーターはDefiの1万1000rpmモデル。

       
さまざまなL型チューンを手がけてきたプロショップナカガワ 中川英明代表。技術力を鍛えるステージとするゼロヨン等のレースには、チューニンナップしたマシンで、自らがステアリングを握って参加する。国産から輸入車、高度なものからライトなメニューまで、不得意なものはない。

【1971年式 ダットサン ブルーバード DX Vol.3】

【2】から続く

 そして、オーナーは510ブルーバードを購入した馴染みのカーショップ(カープロデュースエムズ)の紹介で、中川さんのもとを訪れる。カーショップで中川さんのスゴ腕ぶりは聞いていたが、単にそれだけではオーナーはチューニングを依頼するつもりはない。実際にお店を訪ねて、中川さんにも会って、ファクトリーも見て、決めている。そして、このお店は絶対裏切らないと確信する。順番もいつまで待ってもかまわないと思った。

 その後、オーナーは510ブルの車検だけを通して、プロショップ ナカガワのリフトが空く時を待つ。待ち時間は約1年半。ようやくチューニングをスタートさせる時が来た。オーナーのクルマ作りのスタイルは、チューナー提案型だ。自分の気持ちは前面に出さず、まずをプロの意見を聞く。自分も技術者、建設のプロだ。素人がプロの前にしゃしゃり出て、仕上がりが良くなることなどほとんどないことを、オーナーは知っているのだ。


>>【画像34枚】エンジンルームの空間を広げるために、室内の安全な場所(後部座席下)に移設されている、軽量なドライタイプのバッテリーなど



フロントブレーキはAE86用のキャリパーで強化。ローターは熱処理の入ったスリットタイプ。AE86のハブに日産のスタッドボルトをセット。ブレーキパッドはグランをチョイスした。





リアの車高調のメーカーは不明でスプリングのバネレートは6.5kg/mm。






マフラーはプロショップ ナカガワのオリジナルブランド「モアドライブ」のφ60mmモデル。回転が高まるほどに、サウンドの良さが際立つマフラーだ。材質もSUSとクオリティーも申し分ない。



1971年式 ダットサン ブルーバード DX(P510)
SPECIFICATIONS 諸元
■ エクステリア:SSSクーペ用グリル/ミラー/テール
■ エンジン:L18型改2L仕様(ボアφ89mm×ストローク78mm、圧縮比11.8:1)、亀有製鍛造φ89mmピストン/I断面クロモリコンロッド、L18型純正クランク(1本キー加工、バランス取り)、亀有製76Aカム/バルブスプリング
■ 点火系:ワコーテクニカルCDI(LA700パワーエキスパンダー)
■ 吸気系:ソレックス44PHH
■ 排気系:亀有製4-1タコ足、More Driveオリジナルφ60mmステンレスマフラー
■ 冷却系:アルミワイド2層ラジエーター
■ 燃料系:ニスモ製電磁ポンプ
■ 駆動系:HR30用71Bミッション(5速)
■ 足回り:(F)AE86ストラット流用、ブリッツ製車高調(8kg/mm) (R)ブリッツ製ダンパー、車高調整式スプリング(6.5kg/mm)、More Driveオリジナルウレタンブッシュ/ワンオフロールセンターアダプター
■ ブレーキ:(F)AE86用ブレーキキャリパー、グラン製パッド、AE86用スリットローター
■ タイヤ:ファルケンZIEX (F)165/60R14 (R)185/55R14
■ ホイール:RSワタナベ (F)14×6.5J -3.5 (R)14×7.5J +14.5
■ 内装:Defi タコメーター/追加メーター(油温、油圧、水温)

【4】に続く


初出:ノスタルジックスピード 2018年2月号 vol.015(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1971年式 ダットサン ブルーバード DX(全4記事)

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【1】【2】から続く

text : ISAO KATSUMORI(ZOO)/勝森勇夫(ズー)photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス)

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