最初の難題は「幅」! とにかく狭いスバル 360のエンジンルーム|1967年式 スバル 360

スバル 660 ヤング SC。 この名前に偽りなし!  

       
本誌ノスタルジックスピードに軽自動車が登場するのはまれだ。仮に出たとしても、アルトワークスとかビートとか、スポーツ性の高いモデルが出そうなモンだが、予想を大幅に裏切って、今回はエンジンスワップをしたスバル360がコーナーを占拠。
載せ換えられたスーパーチャージャー付き4気筒エンジンと軽量ボディの組み合わせは、サーキットに持ち出したくなるほどハイスペックなのだ! 
 
【1967年式 スバル 360 Vol.4】

【3】から続く

 最初の難題は「幅」だった。耐久性抜群の赤帽サンバー用4気筒スーパーチャージャー付き660ccエンジンとミッションをそれぞれ入手して組み合わせてみたところ、両ヨコが3cmずつ内壁に当たってしまったそうだ。

「とにかくスバル360は、エンジンルームが狭いんです。リアシートを外したりすればスペースが得られますが、オーナーから純正の風合いを残してほしいといわれましたので、それも出来ず、エンジンルーム内を加工してすべてを収めるのが難しかったですね」

>>【画像30枚】スワップされたマニアの間で評価の高い「赤帽サンバー」の4気筒スーパーチャージャー付きEN07Y型エンジンなど




マニア垂涎の赤帽サンバー用4気筒を 狭すぎるリアに押し込み、サスまでワンオフ





リアバンパーの下側をのぞいてみると、つなぎ目の美しいワンオフステンレスマフラーに遭遇。スペースを有効に使うべく、右リアから出た配管は左リアフェンダーを経由し、再び右リアに戻って排ガスを出す。





ハコスカ用の中間タイコを2個流用し、それらを左リアフェンダーの中に収める。「空いてるところはどこでも使う」。そのくらいの気持ちと発想力がないと、水冷4気筒スワップは無理なのだ。


1967年式 スバル 360
SPECIFICATIONS 諸元
ボディ:ヤングSS用前後バンパー / ストライプ / エンブレム、スバル360後期型フェンダーミラー、ワンオフ大型エアダクト 
エンジン:赤帽サンバー用EN07Y型、サージタンクポリッシュ加工 
吸排気系:ワンオフエアインテークパイプ、ハコスカ用中間タイコ2個入り、ワンオフマフラー 
冷却系:ワンオフラジエーター、放熱用ファン増設 
燃料系:コレクタータンク増設 
駆動系:赤帽サンバー用ハイギアードミッション 
補強系:サイトウロールケージ・ワンオフ8点式ロールケージ 
サスペンション:(F)タケガワ原付用モノサス取り付け位置加工、(R)ワンオフスイングアーム+片側2本ロッド追加、BLミニフロント用ショック 
ブレーキ:(R)赤帽サンバー用ドラムブレーキ移植 
インテリア:ウッドステアリング、ヤングS用メーター、ピボット・タコメーター、Defi油温計 / 油圧計 / 水温計 / ブースト計、クラッチペダル底上げ加工、ハコスカ用シフトブーツ流用、リードレーシングタイプKバケットシート、US後付けエアコン 
タイヤ:(F)ファルケン・シンセラ 145 / 80R10 (R)ダンロップ・SPスポーツR7 165 / 70R10 
ホイール: (R)スピードスター・マークⅠ 10×5J

【5】に続く

初出:ノスタルジックスピード 2017年11月号 vol.014(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1967年式 スバル 360(全6記事)

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【1】【2】【3】から続く

text : AKIO SATO/佐藤アキオ photo : MOTOSUKE FUJII/藤井元輔(サルーテ)

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