婚約指輪の代わりのスバル360は、ヤングSS仕様「速いエンジンに載せ換えたら、かなり戦闘力が上がるのでは?」|1967年式 スバル 360

かわいい外観からは想像できないほど、室内はスポーティにイメチェンされた。そんな中でもステアリングコラムにバンダナを巻くなど、女性オーナーの愛車らしいアクセントも目をひく。

       
本誌ノスタルジックスピードに軽自動車が登場するのはまれだ。仮に出たとしても、アルトワークスとかビートとか、スポーツ性の高いモデルが出そうなモンだが、予想を大幅に裏切って、今回はエンジンスワップをしたスバル360がコーナーを占拠。
載せ換えられたスーパーチャージャー付き4気筒エンジンと軽量ボディの組み合わせは、サーキットに持ち出したくなるほどハイスペックなのだ! 
 
【1967年式 スバル 360 Vol.2】

【1】から続く

 その雄姿を取り上げたNHKの番組「プロジェクトX」を見たオーナーも、ものの見事にスバル360の魅力に引き寄せられた一人だ。サーキットの走行会でご主人と知り合ったほどクルマ好きなお二人にとって、スバル360は共通の話題となり、ご主人は婚約指輪の代わりにスバル360をオーナーに買ってあげることとなる。

「クルマは最初からヤングSS仕様になっていました。もちろん、そのままで乗るつもりでしたよ」と楽しそうに語るオーナー。

 しかし、ダイハツ・コペンで走行会に出るほどのオーナーのこと。当然スバル360でコースを走ってみたいと思うのも無理はない。

「最初、ジムカーナに出てみたら意外と走れて(笑)。それでサーキットにも行ってみたんです。20 psしかないのでストレートは全然遅いんですが、コーナリングはいい感じでした。だったら、『速いエンジンに載せ換えたら、かなり戦闘力が上がるのでは?』と思ったんです」

>>【画像30枚】ご主人からの愛のカタチとして贈られるのが婚約指輪の意味ならば、お2人の共通の趣味であるクルマ、しかも好感を持っていたスバル360を指輪の代わりに贈られて、きっとご主人の大いなる愛を感じたに違いないオーナーなど




ヤングS用の二眼メーターに交換し、さらにタコメーターはピボットのタコメーターと入れ替える。





助手席前に並ぶメーターは、左からデフィの油温計、油圧計、水温計、一段上がってブースト計だ。アメリカ製の後付けクーラーは、実はヒーターにもなるエアコンタイプだった。





茶色のシフトノブとレバーはスバル360用で、ハコスカ用シフトブーツで隠れる部分から赤帽サンバーのハイギアードミッションとなる。シフト奥側にある銀のハコは電動ファンのコントローラーで、小柄なオーナーが踏みやすいようにと、クラッチペダルの底上げも行われていた。






スバル 660 ヤング SC。 この名前に偽りなし!  


1967年式 スバル 360
SPECIFICATIONS 諸元
ボディ:ヤングSS用前後バンパー / ストライプ / エンブレム、スバル360後期型フェンダーミラー、ワンオフ大型エアダクト 
エンジン:赤帽サンバー用EN07Y型、サージタンクポリッシュ加工 
吸排気系:ワンオフエアインテークパイプ、ハコスカ用中間タイコ2個入り、ワンオフマフラー 
冷却系:ワンオフラジエーター、放熱用ファン増設 
燃料系:コレクタータンク増設 
駆動系:赤帽サンバー用ハイギアードミッション 
補強系:サイトウロールケージ・ワンオフ8点式ロールケージ 
サスペンション:(F)タケガワ原付用モノサス取り付け位置加工、(R)ワンオフスイングアーム+片側2本ロッド追加、BLミニフロント用ショック 
ブレーキ:(R)赤帽サンバー用ドラムブレーキ移植 
インテリア:ウッドステアリング、ヤングS用メーター、ピボット・タコメーター、Defi油温計 / 油圧計 / 水温計 / ブースト計、クラッチペダル底上げ加工、ハコスカ用シフトブーツ流用、リードレーシングタイプKバケットシート、US後付けエアコン 
タイヤ:(F)ファルケン・シンセラ 145 / 80R10 (R)ダンロップ・SPスポーツR7 165 / 70R10 
ホイール: (R)スピードスター・マークⅠ 10×5J


【3】に続く

初出:ノスタルジックスピード 2017年11月号 vol.014(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1967年式 スバル 360(全6記事)

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【1】から続く

text : AKIO SATO/佐藤アキオ photo : MOTOSUKE FUJII/藤井元輔(サルーテ)

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