18歳で免許を取得してからの33年間で、70台以上を乗り継いできたオーナー|日産 スカイライン 2000 GT

シンプルにこだわった外装。でも中身は 独自のアイデアとノウハウがぎっしり。

       
20年近くにおよぶS130Zのプライベートチューンで培われたノウハウを、余すところなく投入。約5年の歳月を費やし、オンリーワンのチューニングを追い求めてきたオーナー。それまでのソレックスからインジェクションへと変更されたヨンメリは、L28改3.0L。一見控えめなスペックにもかかわらず、同じL型同士のドラッグレースでは、より排気量の大きなマシンにも引けを取らないタイムをマークする。そんなこだわりのヨンメリチューンの全ぼうに迫る。

【日産 スカイライン 2000 GT Vol.1】

 誰が初めに言い出したのか今となっては定かではないが、一般的に「10年10万キロ」が日本ではクルマの寿命として認知されてきた。もちろんそんな戯言を信じる本誌読者は1人もいないと思うが、人生で初めて購入したクルマを死ぬまで乗り続けるのは極めてまれなケース。ある程度の年齢に達していれば、複数台のクルマを乗り継いでいるのは至極当然であるが、今回登場していただくオーナーは、18歳で免許を取得してからの33年間で、何と70台以上も乗り継いできたというすさまじい車歴の持ち主である。

 そんなオーナーが、今日に至るまでL型チューンにドップリとハマるきっかけは、Z32フェアレディZからS130Zに乗り換えたこと。

「Z32もいいクルマだったんですけど、自分ではマフラー交換しか出来なかった。でもL型のS130Zなら、自分でイジる楽しみがあるじゃないですか。L型とは免許を取ってから常に付き合ってきましたから、馴染みもありましたし」とオーナー。その後、約15年に渡るプライベートチューンで、プロ顔負けの技術力を身に付けていったオーナーだが、その心の奥底には常に1台のクルマが存在していたという。

>>【画像36枚】6-2の等長タコ足は亀有製。空燃費計のために装着されたもので、MoTeCにはつながっていない、このエキマニに装着されるO₂センサーなど



シンプルにこだわった外装でも中身は 独自のアイデアとノウハウがぎっしり





さりげなく叩き出されたリアは、同じマグホイールの14×8.5J-13をセット。またタイヤは他社同サイズよりも幅が狭いルマンLM704の185/60R14でツライチ感を追求。





「見た目は変わらないけど、持てばすぐに違いが分かる。アルミより格段に軽い」というRSワタナベのマグホイール。フロントは14×8Jの-6を装着。



日産 スカイライン 2000 GT(GC110)
SPECIFICATIONS 諸元
■ エクステリア:フロントスポイラー
■ エンジン:L28型改3L仕様(2947cc)、燃焼室ハート形加工(35.4cc、圧縮11.5:1)、ワコー製75Sカムシャフト(9.8mmリフト)、ビッグバルブ(INφ46mm、EXφ38mm)、φ89mmピストン(ピンハイ29mm)、ASW製I断面コンロッド(140mm)、L28型用純正クランク(フル加工)、240Z輸出用カムカバー、ランマックス製オイルフィルター
■ 点火系:RB26型用ダイレクトイグニッション(NE06)
■ 吸気系:ライジング製スポーツインジェクション、370ccインジェクター
■ 制御系:MoTeC M84
■ 排気系:亀有製φ45mm6-2タコ足、ラバーソウル製φ50mmデュアルマフラー
■ 冷却系:ケンメリ純正ラジエーターファン加工(4枚羽)
■ 燃料計:ボッシュ製燃料ポンプ、東名製燃圧レギュレーター
■ 駆動系:OS技研ストリートマスター、R32タイプM用71Cクロスミッション(L型用ベルハウジング)、R200LSD(ファイナル4.1)、ジャパンターボ用等速ジョイント
■ 足回り:(F)スターロード製フルタップ車高調(8kg/mm)、S130Z用ハブ (R)KYB製ショック、スプリング(20kg/mm)、エナジー製ブッシュ
■ ブレーキ:ジャパン用マスターシリンダー (F)エンドレス製スリットローター (R)S30Z用アルフィンドラム(フィン加工)
■ タイヤ:ダンロップ・ルマン704 185/60R14
■ ホイール:RSワタナベ(マグ) (F)14×8J -6 (R)14×8.5J +13
■ 内装:R32用タコメーター、PLX製A/F計、亀有製追加メーター(油圧、油温、水温、燃圧)

【2】に続く

初出:ノスタルジックスピード 2018年2月号 vol.015(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

日産 スカイライン 2000 GT(全4記事)

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text : SHINYA KUSHIURA/串浦愼哉 photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス)

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