「これで完成形」というスタイリング。ムーンクラフト・由良拓也氏デザイン「無限PRO.」のキット|1984年式 ホンダ バラードスポーツ CR-X 1.5i Vol.3

軽量コンパクトで走りが楽しいハンドリングマシン。

       
【1984年式 ホンダ バラードスポーツ CR-X 1.5i Vol.3】

【2】から続く

 無限PRO.のキットは、レーシングカーの設計やメンテナンスを行うムーンクラフトの代表・由良拓也さんのデザインによるもので、樹脂製のブリスターフェンダーやバンパー、ドアステップといった外板パーツで構成。

 実際に風洞実験を行って空力性能を高めた、機能性とデザインを両立したエアロパーツなのだ。そこでオーナーは、無限のデモカーやプラモデルを忠実に再現するため、キットを装着するだけではなく、サンルーフを排除してルーフベンチレーション仕様に変更。さらに、プラモデルに同梱されていたシュノーケルダクトもワンオフ製作してしまった。

 オーナーが「これで完成形」というそのスタイリングは、無限PRO.そのものと言っても過言ではない完成度を誇っている。

>>【画像19枚】前席はホールド性に優れ、ヒップポイントを低く設定したバケットタイプ。程度の良い予備の助手席用シートから表皮のみを剥がし、移植している運転席シートなど




ボディカラーはレッドだったが、NSXなどのグランプリホワイトにオールペイント。ウインドーやサイドのステッカーは、無限のカタログから拡大コピーでベースを作り、専門業者に製作してもらった力作だそうだ。





この位置からでもブリスターフェンダーの膨らみがわかるはず。ただし、このボリューム感はデザインによるもので、実際の全幅はノーマルと同じ。





無限PRO.のフェンダーを装着すると、フューエルリッドレスとなってしまう。そこでオーナーは、アクティの鍵付きキャップを流用している。



OWNER’S VOICE

 B.S.M.(バラード・スポーツ・ミーティング)の運営にも携わるオーナー。「無限PRO.を所有できていることが、なによりの幸せです」と言うだけに随所にこだわりが見られ、「ベース車両に1.5iを選んだことも、当時の無限のコンプリートカーならびにタミヤのプラモデルを忠実に再現したかったからです」と話す。ただし、純正の新品パーツがまったく手に入らないので、壊さないように乗ることが目下の目標だとか。


1984年式 ホンダ バラードスポーツ CR-X 1.5i(AF)
全長×全幅×全高(mm) 3675×1625×1290
ホイールベース(mm) 2200
トレッド前/後(mm) 1400 / 1415
車両重量(kg) 815
エンジン型式 EW型
エンジン種類 直列4気筒SOHC
総排気量(cc) 1488
ボア×ストローク(mm) 74.0×86.5
圧縮比 8.7:1
最高出力(ps / rpm) 110 / 5800
最大トルク(kg-m / rpm) 13.8 / 4500
変速比 1速 2.916 / 2速 1.764 / 3速 1.181 / 4速 0.846 / 5速 0.714 / 後退 2.916
最終減速比 4.428
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット / トレーリングリンク
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク /
リーディングトレーリング
タイヤ 175 / 70SR13(前後とも)
発売当時価格 138.0万円

初出:ハチマルヒーロー 2015年 05月号 vol.29(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1984年式 ホンダ バラードスポーツ CR-X 1.5i(全3記事)

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【1】【2】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : SATOSHI KAMIMURA/神村 聖

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