マイナーチェンジで登場した「ダブルエックス」|1992年式 ダイハツ シャレード 1000 ツインカムターボ GT-XX

ラリーシーンでも大活躍 DOHCターボのスゴいヤツ

       
ダイハツを代表するベーシックカーで、リッターカーのパイオニアとして知られるシャレード。多くの人は実用車的なイメージを持っているかもしれないが、じつはモータースポーツと深いかかわりがある。

【1992年式 ダイハツ シャレード 1000 ツインカムターボ GT-XX Vol.2】

【1】から続く

 3代目では、ラリーでの速さを象徴するスポーツグレードも進化。先代には「デ・トマソ ターボ」が設定されていたが、3代目では「GTti」をラインナップ。エンジンは、105psを発揮する新開発の直列3気筒DOHCインタークーラー付きターボを搭載。サスペンションも専用チューンを施し、低圧ガス封入式ダンパーや強化スタビライザーを採用。ブレーキは4輪ディスクにアップグレードされ、駆動系にはクロスレシオのミッションや等長ドライブシャフトを装備。こうした、走りを徹底的に追及したチューニングを施すことで、リッターカートップクラスの動力性能を実現するとともに、走り好きの若者から支持されたのである。

 なお、GTtiは1988年のマイナーチェンジでGT‐XXに名称を変更し、パーソナルユース・リアシートを廃止。続く1989年にも改良が行われ、今度はデジタルメーターのオプション設定をなくし、ボディカラーのバリエーションも減少してしまった。そして1993年には、後継のG200へバトンを託したのである。このように、クラストップレベルの性能を誇りながらも、スターレットターボやマーチ・スーパーターボといったライバルの陰に隠れてしまい、大ブレイクするには至らなかったシャレード。しかし、ツウ好みの一台として人気が高かったことは事実だ。


>>【画像18枚】GTti/GT-XXのみに装備された、ハイパフォーマンスを表すデュアルエキゾーストテールパイプとなるマフラーなど




リッターあたりのパワーは、当時世界最高レベルだったCB-70型。4バルブ機構やペントルーフ型燃焼室形状、等長インテークマニホールドなどの採用により、レブリミット7600rpmまで軽やかな吹け上がりを実現。ボディ剛性を高めるパフォーマンスロッドも標準だ。





タービンはフロントコアサポート直後に配置。上に見えるのは、ブースト圧を制御するアクチュエーター。





ちょっと見づらいが、加圧された空気を冷却するインタークーラーはラジエーター後部に設置される。


1992年式 ダイハツ シャレード 1000 ツインカムターボ GT-XX(G100S)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 3610×1615×1385
ホイールベース(mm) 2340
トレッド前/後(mm) 1385 / 1365
車両重量(kg) 810
エンジン型式 CB-70型
エンジン種類 直列3気筒DOHCターボ
総排気量(cc) 993
ボア×ストローク(mm) 76.0×73.0
圧縮比 7.8:1
最高出力(ps / rpm) 105 / 6500
最大トルク(kg-m / rpm) 13.3 / 3500
変速比 1速 3.090 / 2速 1.750 / 3速 1.250 / 4速 0.916 / 5速 0.750 / 後退 3.142
最終減速比 4.642
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ストラット(前後とも)
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク / ディスク
タイヤ 175 / 60R14(前後とも)
発売当時価格 119.5万円

【3】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2015年 05月号 vol.29(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1992年式 ダイハツ シャレード 1000 ツインカムターボ GT-XX(全3記事)

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【1】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : MAKOTO INOUE/井上 誠

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