走りに特化した「S」グレードもあったスポーティーサルーン、71系チェイサー|1986年式 トヨタ チェイサー アバンテ

後期では、フォグランプ一体のヘッドライトが新採用され、フロントグリルやコーナーマーカー、バンパーのデザインなどが変更された。

       
1980年代から2000年代初頭まで日本のアッパーミドルサルーンはマークⅡ3兄弟中心に世界が回っていた。とくに3兄弟が揃った80年代はハイソカーブームを巻き起こすと同時に先頭に立って時代を動かした。
まさに80年代を象徴する一台となったマークⅡ3兄弟を3世代にわたって分析&紹介していこう。
※特集内では特定の車種・グレードを示す場合を除き、各世代を示す表記を一般的な通称となる61/71/81系またはシリーズとしています。

【1986年式 トヨタ チェイサー アバンテ Vol.1】

 マークⅡはエレガントなプレステージサルーン、クレスタはスタイリッシュなパーソナルセダンといったように、各車でキャラクターを明確にしてきた71系。そのなかで、「ハイセンスで高級感あふれるスポーティーサルーン」をテーマに開発されたのがチェイサーだ。それを象徴しているのが、先代まで設定されていたセダンを廃止し、4ドアハードトップのみのラインナップとしたこと。そして、斜め格子のグリルを配したフロントマスクやシャープな水平ラインを基調とした力強いサイドビューなどで、マークⅡ/クレスタとは異なる雰囲気を演出している。

 また、スポーティーなキャラクターが顕著に表れているのが、前期GTツインターボSの存在。わずか10カ月間しか販売されなかったが、3兄弟で唯一チェイサーに設定されていたグレードで、パワーウインドーをはじめ、電動格納式ドアミラーやオートエアコン、エレクトロニック・ディスプレイメーターといった装備が省かれた、いわば走りに特化したグレードだった。

>>【画像17枚】GTツインターボとアバンテ・ツインカム24に標準で、アバンテにはオプションで設定されていたエレクトロニック・ディスプレイメーターなど



弓と盾を模したチェイサーのエンブレムが配されるトランクオーナメント。開閉式になっており、スライドするとトランクのキーシリンダーが現れる。





61系で初めて設定され、その後チェイサーの代名詞にもなったアバンテ。上級グレードに与えられる名で、スペイン語で「前へ」という意味。





ボディカラーはスーパーホワイトⅡ。後期では全7色を設定していた。また、前期からテールランプのデザインも微妙に変更されている。



1986年式 トヨタ チェイサー アバンテ(GX71)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm)4650×1690×1385
ホイールベース(mm) 2660
トレッド前/後(mm)1425 / 1440
車両重量(kg) 1280
エンジン型式 1G-EU型
エンジン種類直列6気筒SOHC
総排気量(cc)1988
ボア×ストローク(mm)75.0×75.0
圧縮比9.2:1
最高出力(ps / rpm)130 / 5400
最大トルク(kg-m / rpm)17.5 / 4400
変速比1速 2.450 / 2速 1.450 / 3速 1.000 / 4速 0.688 / 後退 2.222
最終減速比4.100
ステアリングラック&ピニオン
サスペンション前/後ストラット / セミトレーリングアーム
ブレーキベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ185 / 70R14(前後とも)
発売当時価格260.9万円

【2】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2015年 05月号 vol.29(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1986年式 トヨタ チェイサー アバンテ(全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ) 

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