路上に白いクルマがあふれていた「ハイソカーブーム」の時代| 1987年式 トヨタ マークⅡ ハードトップ グランデ ツインカム24 リミテッド

グリルセンターに輝く、マークⅡのエンブレム。

       
1980年代から2000年代初頭まで日本のアッパーミドルサルーンはマークⅡ3兄弟中心に世界が回っていた。とくに3兄弟が揃った80年代はハイソカーブームを巻き起こすと同時に先頭に立って時代を動かした。
まさに80年代を象徴する一台となったマークⅡ3兄弟を3世代にわたって分析&紹介していこう。
※特集内では特定の車種・グレードを示す場合を除き、各世代を示す表記を一般的な通称となる61/71/81系またはシリーズとしています。

【1987年式 トヨタ マークⅡ ハードトップ グランデ ツインカム24 リミテッド Vol.1】

 いまだにその光景を強く覚えている読者も多いだろう。1980年代の日本、とくに都市部では「異様」とも言える現象が広がっていた。路上に白いクルマがあふれていたのだ。いわゆるハイソカーブームの到来だ。ハイオーナーカーが転じてハイソカーと呼ばれるようになった高級指向の小型乗用車は、決まって白いボディカラーが選ばれ、景気の後押しも受けてステータスに。ハイソカーブームは80年代の象徴として語り継がれている。

 その中心的な存在が71系マークⅡ。ハイソカーブームは61系のスーパーホワイトが発端となるが、その流れを確実なものとしたのが71系で、純白(スーパーホワイトⅡ)のマークⅡをいたる所で目にした。だが、色だけがヒットの理由ではないのは当然。ツインカムの1G‐GEU型やツインターボの1G‐GTEU型に代表される高性能エンジン、ショックアブソーバーの減衰力を最適に制御するTEMSを筆頭とした先進のテクノロジー、デジタルメーターやパワーシートをはじめとしたエレクトロニクスを駆使した最新装備など、61系からの進化は計り知れない。

>>【画像22枚】通称「タマゴパール」のボディカラー「クリスタルパールマイカ」は、2回目のリミテッドにのみ設定された特別な色。リアスポイラーは社外品だが非常に似合っている。など



グリルは前期と後期で異なり、デザインだけでなく形状も大きく変わっている。





71系マークⅡの特徴ともなるクリスタルピラーは、通常モデルはブラックだが、リミテッドでは特別色が使われるのが特徴。ちなみに3回目のリミテッドでは濃いダークベージュが使われる。




マフラーはFET極東のボレロという当時物。リアエンドは友人の板金屋さんで製作してもらったオリジナル。



1987年式 トヨタ マークⅡ ハードトップ グランデ ツインカム24 リミテッド(GX71)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(㎜) 4690×1690×1385
ホイールベース(㎜) 2660
トレッド前/後(㎜) 1425 / 1440
車両重量(㎏) 1310
エンジン型式 1G-GEU型
エンジン種類 直列6気筒DOHC
総排気量(cc) 1988
ボア×ストローク(㎜) 75.0×75.0
圧縮比 9.1:1
最高出力(ps / rpm) 140 / 6200
最大トルク(㎏-m / rpm) 17.6 / 4000
変速比 1速 2.450 / 2速 1.450 / 3速 1.000 / 4速 0.688 / 後退 2.222
最終減速比 4.556
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前 / 後 ストラット / セミトレーリングアーム
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 205 / 60R15(前後とも)
発売当時価格 295.4万円

【2】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2015年 05月号 vol.29(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1987年式 トヨタ マークⅡ ハードトップ グランデ ツインカム24 リミテッド(全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ) 

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