108万円のデラックス! 国産乗用車最上級の価格と内容 〜2017〜|1959年式 プリンス スカイライン 1500 デラックス

50年代のアメリカ車のようなグリルとコンビとなったクロームの大型バンパーを装備。

       
1957年4月、プリンス自動車工業は新型車プリンススカイラインを発売した。それから60年、今なおスカイラインは日本を代表する乗用車として、人々の心をつかんでいる。今回のスカイライン特集では4代目C110、3代目C10、2代目S50系、そして初代ALSIの各モデルを掲載。それぞれ個性的な個体を集めて、モデルごとの魅力を改めて探ってみることにした。クルマ好きはなぜ、スカイラインにひかれるのだろう。

【1959年式 プリンス スカイライン 1500 デラックス Vol.1】

 日本の自動車産業の礎は、軍需産業で培った技術の平和利用といえる。その多くが航空機エンジニアたちが手がけることとなったことも大きく貢献している。そんな背景があることから、国産自動車の性能は飛躍的に向上していくこととなる。

 スカイラインはまさに、製造業の回復や技術進化によって輸入車たちに真っ向対決を挑んだ国産乗用車だったのである。1957年のパリ・サロンに出品と、誕生の瞬間から当時の国産車の常識にとらわれない存在であり、高性能&最高級を運命づけられていた。

 外観デザインは当時のアメリカ車の影響が強いもので、ボンネット先端のエンブレム、補助ライトが埋め込まれた大型グリル&フロントバンパー、サイドモールの採用、テールフィンとアメリカ車の黄金時代を思わせる特別なデザインだった。当時の国産乗用車といえば、ノックダウン生産車を除くとトヨペット・クラウン&コロナ、ダットサン211&210、114が主なラインナップで、その中で最も洗練されたモデルがスカイラインだったと断言できる。もちろん価格も120万円とクラウン・デラックスよりも10万円も高い国産乗用車最上級であった。

>>【画像25枚】テールフィン風のデザインとなっているリアのコンビネーションランプなど



ホイールベースは約2.5m。1957年のシボレー・ベルエアが3m近くあり、サイズ感は日本車だった。フロントバンパー中央の穴はクランクハンドルの挿入口だ。



1959年式 プリンス スカイライン 1500 デラックス(ALSID-1)
SPECIFICATIONS 諸元
全長 4280mm
全幅 1675mm
全高 1535mm
ホイールベース 2535mm
トレッド前/後 1340 / 1380mm
最低地上高 210mm
室内長 1920mm
室内幅 1460mm
室内高 1220mm
車両重量 1310kg
乗車定員 6名
最高速度 125km / h
登坂能力 22.8°
最小回転半径 5.4m
エンジン型式 GA30型
エンジン種類 水冷直列4気筒OHV
総排気量 1484cc
ボア×ストローク 75×84mm
圧縮比 7.5:1
最高出力 60ps / 4400rpm
最大トルク 10.75kg-m / 3200rpm
燃料供給装置 シングルキャブレター
燃料タンク容量 40L
変速機 前進4段 / 後退 1段
変速比 1速 5.19 / 2速 3.03 / 4速 1.00 / 後退 5.97
最終減速比 4.625
ステアリング型式 ウオームアンドローラー式
サスペンション 前/後ダブルウイッシュボーン・コイル / ド・ディオンアクスル・リーフ
ブレーキ 前後ともドラム
タイヤ 前後とも6.40-14 4PR
発売当時価格 108万円

【2】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年2月号 Vol.179(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1959年式 プリンス スカイライン 1500 デラックス(全3記事)

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photo:RYOTA SATO/佐藤亮太

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