ラビットスクーターに乗っていた富士重工ファン。これ1台で買い物から実家への帰省まで|1972年式 スバル ff-1 1300G 4ドア バン デラックス

FFのメリットを生かした、広い荷室が魅力。

       
昔は各自動車メーカーから、多くの乗用車型商用バンがラインナップされていた。
普段は乗用車のように乗れ、いざとなれば多くの荷物を積むことができる働き者たち。
今あらためて彼らの姿を見ると、懐かしい昭和の風景を思い出さずにいられない。

【1972年式 スバル ff-1 1300G 4ドア バン デラックス Vol.3】

【2】から続く

 ff−1バンのグレードはスタンダードとデラックスの2種類。デラックスがセダンと同じ
1300ccであるのに対して、スタンダードは1100ccと排気量まで別だった。スタンダードは2ドアと4ドアが選べたが、デラックスは4ドアのみ。フロントシートはスタンダードがベンチシートにコラムシフトの組み合わせのみで、デラックスはベンチコラムだけでなく、セパレートシートにフロアシフトも選べた。

 スタンダードは仕事用に割り切った仕様を選べたのに対しデラックスは、当時のカタログを見るとサーフボードといった長尺の遊び道具も積み込める、レジャーカーとしても存在をアピールしていた。

 オーナーは、このクルマを普段使いのクルマとして乗っている。何かクルマが欲しいと探していたときに、偶然出合ったものだ。これ1台で買い物から実家への帰省までこなしている。ラビットスクーターに乗っていた時期もあり、富士重工ファンでもあった。だからこのスバルff-1と出合ったのも何かの縁かもしれない。もちろん古いクルマであるから、丁寧に乗ることを心がけている。


>>【画像23枚】ライバル車のほとんどはバンパーの上から開くタイプであり、スバルはリアデフホーシングのないFF車のメリットを受け、フロアを低くすることができたため、バンパーに切り欠きがあり、バンパー下のヒンジで、大きく開口する下側のゲートなど

OWNER’S VOICE/お店で出合い、一目ぼれして購入


今のクルマに魅力を感じず、通りすがりにフレックスオートレビュー横浜店で見かけ、勢いで購入したオーナー。奥さまと子供たちも気に入っており、4歳と6歳のお子さんはこのクルマを「すばる」と呼んでいるという。学生時代はサニーバンに乗っていた。





重心の低い位置にあるEA62型水平対向エンジン。スペアタイヤやジャッキなどをボンネット内に配置。コンパクトな水平対向エンジンならではのレイアウトだ。




フロントブレーキはインボードドラムとなる。
 



1972年式 スバル ff-1 1300G 4ドア バン デラックス(A44)
SPECIFICATIONS 諸元
全長 3880mm
全幅 1480mm
全高 1415mm
ホイールベース 2420mm
トレッド前/後 1225mm / 1235mm
最低地上高 175mm
床面地上高 390mm
荷室長 1445mm(830mm 以下カッコ内は5名乗車時)
荷室幅 1205mm(1200mm)
荷室高 995mm(985mm)
車両重量 765kg
乗車定員 2(5)名
最大積載量 400(-)kg
車両総重量 1275(1040kg)
最高速度 155km / h
登坂能力tanθ 0.36
最小回転半径 4.8m
エンジン型式 EA62型
エンジン種類 水冷水平対向4気筒OHV
総排気 1267cc
ボア×ストローク 82.0×60.0mm
圧縮比 9.0:1
最高出力 80ps / 6400rpm
最大トルク 10.1kg・m / 4000rpm
変速機 フロア式前進4段後退 1段フルシンクロメッシュ
変速比 1速 3.666 / 2速 2.312 / 3速 1.480 / 4速 1.033 / 後退 3.636
最終減速比 3.889
燃料タンク容量 36L
ステアリング形式 ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ウイッシュボーン / トレーリングアーム
ブレーキ前後とも ドラム式
タイヤ前後とも 6.15-13 6PR
価格 55.1万円

初出:ノスタルジックヒーロー 2016年 10月号 Vol.177(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1972年式 スバル ff-1 1300G 4ドア バン デラックス(全3記事)

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【1】【2】から続く

photo:ISAO YATSUI/谷井 功

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