NAキャブ、兄のZとは対照的なハコスカのマシンメイク|1972年式 日産 スカイラインHT 2000 GT-X|ターボとNAでL型パワーを楽しむ兄弟

カーボンボンネットやフロントバンパーはリスタード製。ほかにもFRP製のフロントフェンダー、プロテックのスポイラー、GT-Rグリルなどフロントセクションはごっそり交換済みだ。ヘッドライトはHID化されている。

       
L28型改3.1Lをベースに、旧車のモディファイを楽しむ兄弟がいる。兄はストリートドラッグの世界を振り出しにインジェクションターボにたどり着き、弟はたまたま買ったクルマにのめり込み、気付けばメカチューンのとりことなった。このように兄弟でありながら、クルマとの出合いもチューニングの方向性も違えば、ベースカーも兄はGノーズとワイドボディキットを組んだホワイトの240ZG。弟はGT-R仕様としては最先端の17インチホイール履きのシルバーのハコスカHTと、何から何まで違っている。だからこそ興味がある。同じDNAを持つ2人が、L28型改3.1Lに何を求め、何を得たのかを。スタイルも使う道具も違う兄弟による、L型劇場。これより開演!


【1972年式 日産 スカイラインHT 2000 GT-X|ターボとNAでL型パワーを楽しむ兄弟 Vol.4】

兄のフェアレディ 240Z【3】から続く


 S30フェアレディZとC10スカイライン、インジェクションとキャブ、そしてターボとNA。オーナー兄弟が所有する旧車シーンで人気を2分する2台の名車は、どこまでも対照的だ。実は旧車との付き合い方も対照的で、兄の和芳さんが20代前半からドラッグレースに興じていたのに対し、オーナー(弟)はレクサスやZ33フェアレディZなど、普通に快適で速いクルマを乗り継いできたという。
「でも、自分たちの親父がZ31とかZ32のフェアレディZに乗っていたこともあり、どこかで日産車の速さの影響を受けていたと思うんです」

 そう話すオーナー(弟)とKGC10スカイラインとの物語は、8年前に1ページ目が開かれた。「偶然にもきれいなクルマがあったから買っただけ(笑)」と、出合いは素っ気なく、特にハコスカへの思い入れがあったわけでもなかったそうだ。不動車だったため、それから動くようになるまで5年。乗り始めて3年と時間を重ねていくうちに、オーナー(弟)のスカイラインへの思いはだんだんと大きくなり、今ではサーキットに走りに行くほどにまで膨らんでいる。

【画像33枚】ネイビーブルーのカムカバーとゴールドアルマイトのファンネル。この組み合わせからして、誰のマネでもないことを主張するL28型改3.1Lエンジンなど




240ZGと同様に、クラフトスクエアのカーボンミラーを左右のドアに設置。鏡面が広いため、視界は十分とのこと。





リスタードのカーボンバンパーを装着すると、ハードトップではバンパーに埋め込まれたバックランプがなくなるため、1970年式のテールを移植している。トランクスポイラーとエンブレムはGT-R仕様のお約束。





父や兄の影響からハコスカ乗りに!、自分だけのオリジナルスタイルに仕上げる。


【5】に続く

初出:ノスタルジックスピード 2017年 03月号 vol.012(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

ターボとNAでL型パワーを楽しむ兄弟(全6記事)

1972年式 日産 フェアレディ 240ZG(全3記事)

1972年式 日産 スカイラインHT 2000 GT-X(全3記事)

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【1】【2】【3】から続く

text : AKIO SATO/佐藤アキオphoto : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス)

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