ブースト1.2キロで600ps! インジェクション化されたパワーユニット|1972年式 日産 フェアレディ 240ZG|ターボとNAでL型パワーを楽しむ兄弟

ワイドボディキットを装着した、L型ターボの240ZGが吠える! 

       
L28型改3.1Lをベースに、旧車のモディファイを楽しむ兄弟がいる。兄はストリートドラッグの世界を振り出しにインジェクションターボにたどり着き、弟はたまたま買ったクルマにのめり込み、気付けばメカチューンのとりことなった。このように兄弟でありながら、クルマとの出合いもチューニングの方向性も違えば、ベースカーも兄はGノーズとワイドボディキットを組んだホワイトの240ZG。弟はGT-R仕様としては最先端の17インチホイール履きのシルバーのハコスカHTと、何から何まで違っている。だからこそ興味がある。同じDNAを持つ2人が、L28型改3.1Lに何を求め、何を得たのかを。スタイルも使う道具も違う兄弟による、L型劇場。これより開演!


【1972年式 日産 フェアレディ 240ZG|ターボとNAでL型パワーを楽しむ兄弟 Vol.2】

【1】から続く

 転機が訪れたのは3年前のこと。「遊びで走るサーキットも楽しめて、ストリートも走れるZにしたい」と、リメイクを開始。当時からの武器であるトラストのツインターボを生かしつつ、走りやすさを優先してキャブからインジェクションへのアップデートを果たす計画を実行に移すことにした。パーツにはワンオフのサージタンク、720ccのインジェクター、RB型用ダイレクトイグニッションやクランク角センサーを選び、それらをアペックスのパワーFCでコントロール。
「現状、ブースト1.2kg/㎠で600㎰ほど出ますが、キャブとの一番の違いは、パワーよりも高速巡航ですね。キャブの場合、追加インジェクターが作動するタイミングの微調整ができないですが、インジェクションならその調整ができますから」。

 以上のようにエンジンも強烈だが、ボディだって負けてはいない。TRA京都が製作し、映画「ワイルドスピード」に出演しているサン・カンさんがプライベートで愛用していることでも有名な、パンデムのワイドボディキットを組んでいるのだ。しかも、ショートノーズ専用のキットをロングノーズがウリである240ZGに取り付けるべく、ワンオフ加工を行ったため、顔の印象度が大きく変わり、新たなフェアレディの表情を見せている。


>>【画像35枚】サン・カンさんのZを見て即決。Gノーズ用に違和感なく加工し、独特のスタイルを実現しているショートノーズ用パンデムのワイドボディキットなど



アルミのワンオフサージタンクとオレンジのターボ用カムカバーが織りなすコントラストが、強烈なパワーを物語るエンジンルーム。いかにも剛性の高そうなマンディ製ストラットタワーバーによって、サーキット走行でも安心できるそうだ。



サージタンクとブロックの間のインテークマニホールドには、サードの720ccインジェクターを配置。インジェクターの燃料デリバリーパイプなどもワンオフで製作されている。





購入時はKKKのK26タービンだったが、3年前のリニューアル時にトラストのTD06タービンに変更。インジェクション化とのマッチングもバッチリだそうだ。





サン・カンさんのZを見て即決したというパンデムのワイドボディキットを装着。ショートノーズ用を違和感なくGノーズ用に加工し、独特のスタイルを実現。


【3】に続く

初出:ノスタルジックスピード 2017年 03月号 vol.012(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

ターボとNAでL型パワーを楽しむ兄弟(全6記事)

1972年式 日産 フェアレディ 240ZG(全3記事)

1972年式 日産 スカイラインHT 2000 GT-X(全3記事)

関連記事: L型チューン炸裂!

関連記事: フェアレディ

関連記事: スカイライン


【1】から続く

text : AKIO SATO/佐藤アキオphoto : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス)

RECOMMENDED

RELATED

RANKING