3026万種から選べたフルチョイスシステム! 「未来の国からやってきた」国内初の本格的スペシャリティーカー 〜2016〜|1973年式 トヨタ セリカ 1600 GTV

フロントグリルにはグレードを示すGTVのエンブレムを装着。

       
1969年10月、トヨタ自動車は東京晴海の見本市会場で開催された第16回東京モーターショーに、アドバンス・カーであるEX-1を展示した。このコンセプトモデルを基に翌1970年10月に登場したのが、当時のトヨタの先進性を集結して開発された初代セリカだ。

【1973年式 トヨタ セリカ 1600 GTV Vol.1】

 北米で流行していたフォード・マスタングやヨーロッパのカプリによって確立されたスペシャリティーカーを目指し、1970年12月に国内発売を開始。「未来の国からやってきた」というキャッチコピーを掲げ、近未来的なフォルムにスポーツカーのような性能とファミリーサルーンのような乗り心地を持ち合わせた、国内初の本格的スペシャリティーカーとして話題をさらった。

 デビュー時のグレードはET、LT、ST、GTで、エクステリアではホイールキャップやグリルにそれぞれ専用デザインを採用。そのほか、フェンダーミラーやロッカーモールのデザインなどもグレードによって仕様が違う。また、好みや予算に合わせて、4種のエクステリア、4種類のエンジン、3種のギアボックス、9種のインテリア、さらにオプション類を選ぶことができる「フルチョイスシステム」を導入。豊富なボディカラーや室内カラーとの組み合わせまで含めると、3026万種ものパターンとなる計算となっていた。これは当時、高度な生産販売管理体制を確立していたトヨタだからこそ可能となった生産システムだった。


▶▶▶【画像22枚】通称「ダルマセリカ」と呼ばれる所以となったと言われる、ヒゲのようなバンパーと丸みをおびたボディなど




テールランプは1回目のマイナーチェンジ以降、オレンジのウインカーレンズが組み込まれている。それ以前の初期型セリカは赤1色のテールレンズだ。





ホイールはRSワタナベの14インチを選択。タイヤはヨコハマ エコスで、F175/60R14、R185/60R14を組み合わせた。





グレードによって、ボディサイドのストライプやフェンダーミラーの形状、ロッカーモールなどの仕様が異なる。



【2】に続く


1973年式 トヨタ セリカ 1600 GTV(TA22)
Specification 諸元
全長 4165mm
全幅 1600mm
全高 1300mm
ホイールベース 2425mm
トレッド前/後 1300 / 1305mm
最低地上高 165mm
室内長 1625mm
室内幅 1330mm
室内高 1060mm
車両重量 965kg
乗車定員 5名
最高速度 190km / h
登坂能力 sinθ0.61
最小回転半径 5.0m
エンジン型式 2T-G型
エンジン種類 水冷直列4気筒DOHC
ボア×ストローク 85×70mm
総排気量 1588cc
圧縮比 9.8:1
最高出力 115ps / 6400rpm
最大トルク 14.5kg-m / 5200rpm
変速 機オールシンクロメッシュ 前進5段 / 後退 1段
変速比1速 3.587 / 2速 2.022 / 3速 1.384 / 4速 1.000 / 5速 0.861 / 後退 3.484
最終減速比 4.100
燃料タンク容量 50L
ステアリング形式 リサーキュレーティングボール式
サスペンション前/後 マクファーソン・ストラット式コイルスプリング / 4リンク・ラテラルロッド付コイルスプリング
ブレーキ前/後 ディスク / リーディングトレーリング
タイヤ前後とも 185 / 70HR13
発売当時価格 87.5万円


初出:ノスタルジックヒーロー 2016年 6月号 Vol.175(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1973年式 トヨタ セリカ 1600 GTV(全3記事)

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photo : EIJIRO AKIMOTO/秋元栄二郎

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