Z 84万円、240ZG 150万円! 「ZG仕様」が生まれるほど憧れの的だった|1972年式 日産 フェアレディ 240ZG

フロントバンパーはウレタン製。マーカーランプは仕切りのない前期タイプ。ヘッドライトにはZG専用カバーがビス留めされている。

       
フェアレディという車名は、日産のスポーツカーの名前として、今なお、さん然と輝いている。そのルーツは、1959年6月に登場したダットサン・スポーツ(S211)にさかのぼる。翌60年1月にエンジン排気量を1Lから1.2Lにアップ。ダットサン・フェアレデーの車名が与えられ、輸出専用モデル(SPL212)として生産が続けられた。その後のSP/SR、S30フェアレディZと、国産スポーツカーの雄として、多くのファンを魅了したクルマであることは、皆がよく知っている。そんなフェアレディ各モデルを、個体それぞれが持つ「物語」と一緒に、振り返っていこう。

【1972年式 日産 フェアレディ 240ZG Vol.1】


 イメージカラーであるマルーンをまとったフェアレディ240ZG。S30 系Zの中でも、Z432と人気を二分するのがこの240ZGといえる。

 1969年に登場したS30系フェアレディZは、国内ではL20型2Lエンジンを搭載したスタンダードのZおよび豪華版のZ−L、その上級車種として、スカイラインGT−Rに搭載されたS20型DOHCエンジンを搭載したZ432(PS30)の3グレードでスタート。

 その後1971年10月、海外仕様であったL24型2.4L搭載車を国内ユーザーの要望に応え販売開始。これが240Zシリーズ(HS30)で、L20型車と同様にZ、Z−Lのグレードがあり、最上位機種に240ZGが設定された。

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 外観上の最大の特徴である専用のエアロダイナノーズと、オーバーフェン ダー、リアスポイラーを装着することで精かんさを増した240ZG。2L仕様の普通のZが84万円だったのに対 し、240ZGは150万円と高価格であり、ZGが買えなかったオーナーは、当時多く流通していた社外部品を使用してZG仕様を製作したものだ。




ボンネット先端に付くオーナメント。劣化しているクルマが多い中、美しい状態を保っている。





左右フロントフェンダーに装着されたエンブレム。240Zであることを主張する。





クオーターピラーのオーナメントは車内のベンチレーションも兼ねる。


1972年式 日産 フェアレディ 240ZG(HS30H)
Specification 諸元
全長 4305mm
全幅 1690mm
全高 1285mm
ホイールベース 2305mm
トレッド前/後 1355 / 1345mm
最低地上高 160mm
車両重量 1010kg
乗車定員 2名
最高速度 210km / h
登坂能力tanθ 0.467
最小回転半径 4.8m
エンジン型式 L24型
エンジン種類 水冷直列6気筒SOHC
総排気量 2393cc
ボア×ストローク 83×73.7mm
圧縮比 8.8:1
最高出力 150ps / 5600rpm
最大トルク 21.0kg-m / 4800rpm
変速機 O.D付前進5段・後退 1段フルシンクロメッシュ式
変速比 1速 2.906 / 2速 1.902 / 3速 1.308 / 4速 1.000 / 5速 0.864 / 後退 3.382
最終減速比 3.900
燃料タンク容量 60L
ステアリング形式 ラックアンドピニオン式
サスペンション 前後とも独立懸架ストラット式コイルスプリング
ブレーキ 前/後ディスク式 / リーディングトレーリング式
タイヤ 前後とも175HR-14
発売当時価格 150万円

【2】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2016年10月号 vol.177(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1972年式 日産 フェアレディ 240ZG(全3記事)

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photo : ISAO YATSUI/谷井 功

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