大理石調オーナメントが別格! セルシオより先に新開発のV8エンジンを搭載したロイヤルサルーンG|1991年式 トヨタ クラウン 4ドアハードトップ 4000 ロイヤルサルーンG V8 Vol.1

大型のグリルが圧倒的な存在感を示すフロントマスク。取材車両はクリアレンズやプロント製のリップスポイラーでドレスアップ。

       
【1991年式 トヨタ クラウン 4ドアハードトップ 4000 ロイヤルサルーンG V8 Vol.1】

 1989年にトヨタの新フラッグシップとして国内デビューを果たしたセルシオ。欧州メーカーの独壇場だった高級車マーケットに参入すべく、北米で設立されたレクサスブランドで「LS」としても発売され、リリースと同時に世界で高い評価を得た最高級サルーンだ。

 そのセルシオに搭載されたエンジンが新開発4LV8の1UZ‐FE型なのだが、このユニットはエンジンの約40%をアルミ化して徹底的な軽量化を図るとともに、最新の生産技術を駆使して各部のバランスが飛躍的に向上。260ps&36.0kgmというパワーとトルクを発揮させつつ、極限の静粛性や低振動を実現。

 さらに、北米のガスガズラー税をクリアする優れた燃費性能など、すべてにおいて最高級サルーンにふさわしいパワーユニットに仕上げられた。このように、当時の最先端技術を取り入れ、あらゆる面で高性能を発揮した1UZ‐FE型だが、じつはセルシオに先駆けて搭載された車種がある。それがS131クラウンだ。



 8代目にあたるS130系がデビューしたのは、バブル真っただ中の87年。クラウンの伝統的なディテールを継承しながら、それまでの直線基調のスタイリングから曲面を使った現代感あふれるデザインに一新。

 3Lの4ドアハードトップ車には、全幅1745mmというクラウン初の専用ワイドボディが与えられた。そして、高級サルーンならではの存在感とワイドトレッドによる安定感は、「これぞクラウン!」と言うに値する風格をもたらしたのだ。

 そして後期では、自動車税が改正されたのを機に2L車にもワイドボディ仕様を設定。高級車ブームを勝ち抜くための、新たな商品戦略を打ち出した。


▶▶▶【画像18枚】トランクのキーシリンダーは、オーナメントをスライドさせると現れる。V8エンジン搭載車では大理石調となるオーナメントなど



トランクエンド左には、グレード表示のバッチを装着。
 




ホイールは当時の定番となるBBS・RSを履かせている。サイズは前8J、後9Jで、ともに17インチ。クラウンとベストマッチングのホイールと言えるだろう。



1991年式 トヨタ クラウン 4ドアハードトップ 4000 ロイヤルサルーンG V8(UZS131)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4860×1755×1400
ホイールベース(mm)  2730
トレッド(mm) 1480(前後とも)
車両重量(kg) 1690
エンジン型式  1UZ-FE型
エンジン種類 V型8気筒DOHC
総排気量(cc) 3968
ボア×ストローク(mm) 87.5×82.5
圧縮比 10.0:1
最高出力(ps/rpm) 260/5400
最大トルク(kg-m/rpm) 36.0/4600
変速比 1速 2.531 / 2速 1.531 / 3速 1.000 / 4速 0.705 / 後退 1.880
最終減速比 3.909
ステアリング ボールナット
サスペンション前/後 ダブルウイッシュボーン/セミトレーリングアーム
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 205/65R15(前後とも)
発売当時価格 465.0万円

【2】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2014年 11月号 vol.27(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1991年式 トヨタ クラウン 4ドアハードトップ 4000 ロイヤルサルーンG V8(全3記事)

関連記事: セドグロクラウン宿命の好敵手

関連記事:クラウン


text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : AKIO HIRANO/平野 陽

RECOMMENDED

RELATED

RANKING