MS112クラウン、後期型で取り戻したその国産最上級車としてのプライド|1981年式 トヨタ クラウン 4ドアハードトップ 2800 ロイヤルサルーン Vol.1

3ナンバーモデルは中央が尖った特徴的な大型のバンパーを採用。後期型のヘッドライトは回り込んだサイド部分が鋭角になっている。

       
2度のオイルショックと厳しい排ガス規制。そんな1970年代を耐え忍び、技術に磨きを掛けてきたからこそ、80年代が色とりどりの華々しい時代となった。その口火を切ったのが、79年6月にデビューした430セド・グロ。そして、その後を追うように同年9月に6代目S110系クラウンが登場した。両車は国産高級車のベンチマークとして、しのぎを削ってきた。

【1981年式 トヨタ クラウン 4ドアハードトップ 2800 ロイヤルサルーン Vol.1】

 2度のオイルショックと厳しい排ガス規制。そんな1970年代を耐え忍び、技術に磨きを掛けてきたからこそ、80年代が色とりどりの華々しい時代となった。その口火を切ったのが、1979年6月にデビューした430セド・グロ。そして、その後を追うように同年9月に6代目S110系クラウンが登場した。両車は国産高級車のベンチマークとして、しのぎを削ってきた。



 S110系クラウンは80年代を見据え、「新しい時代を切り拓く伝統の最高級車」をコンセプトに開発されている。では、新時代の高級車とは何か。その答えとしてトヨタは、クラウン伝統の高品質なクルマ作りに加え、厳しい70年代を乗り越えてきた教訓を活かし、省エネ時代への対応を重視した。ボディの軽量化や空力特性の改善、燃費性能に優れた新エンジンの搭載など、その項目は多岐に渡る。

 その一方で、ライバルの430セド・グロは、S110系クラウンのデビューに合わせるかのように、日本初のターボエンジンL20ET型を投入。2LSOHCターボながら145psの最高出力を発揮し、同車に搭載されるL28E型やS110系クラウンの5M‐EU型といった、大排気量と同等のスペックを誇った。

▶▶▶【画像19枚】後期型ハードトップはフォグランプ内蔵の異型2灯となった。そのデザインが「オニクラ」と呼ばれる由来となるヘッドライトなど




3ナンバー枠となる2.8L車は前後バンパーが大型化。後期型はリアコンビランプの意匠が変更されている。


1981年式 トヨタ クラウン 4ドアハードトップ 2800 ロイヤルサルーン
SPECIFICATIONS 諸元
クラウン 4ドアハードトップ 2800ロイヤルサルーン(MS112)
全長×全幅×全高(mm) 4860×1715×1410
ホイールベース(mm) 2690
トレッド前/後(mm) 1430/1400
車両重量(kg) 1500
エンジン型式 5M-EU型
エンジン種類 直列6気筒SOHC
総排気量(cc) 2759
ボア×ストローク(mm) 83.0×85.0
圧縮比 8.8:1
最高出力(ps/rpm) 145/5000
最大トルク(kg-m/rpm) 23.5/4000
変速比 1速2.452/2速1.452/3速1.000/
4速0.689/後退2.212
最終減速比 4.100
ステアリング ボールナット
サスペンション前/後 ダブルウイッシュボーン/4リンク
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 185SR14(前後とも)
発売当時価格 269.0万円

【2】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2014年 11月号 vol.27(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1981年式 トヨタ クラウン 4ドアハードトップ 2800 ロイヤルサルーン(全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : AKIO HIRANO/平野 陽

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