しばらく眠っていたGTOを「直してくれないか」と頼まれ、託され20年。〜2016〜|1970年式 三菱 ギャラン GTO MR

DIY派のオーナーとともに20年(当時)を歩んできたGTO MR。

       
【1970年式 三菱 ギャラン GTO MR Vol.3】

【2】から続く

 このGTO MRは、取材時の53歳のオーナーが学生時代、友人が乗っていたクルマそのものだ。当時はちょうどこの年代のクルマが、お金のない若者たちにとって中古で安く買える時代だった。若かりし頃のオーナーもまた、S30フェアレディZやセリカなどを乗りつぎ、チューニング誌を読みながら自らイジって遊んだ。


ヒップアップクーペと呼ぶのにふさわしいダックテールのリアビュー。サイドのくさび形をイメージしたデザインはダイナウエッジラインと呼ばれた。


▶▶▶【画像23枚】GTOファンならばまずヘッドカバーに目が行くだろう。MRはゴールドのはずだが、最初期には黒も存在していたという最初期の特徴が濃いエンジンルーム

OWNER’S VOICE

 オーナーは自分で旧車をメンテナンスするDIY派。「旧車を所有しているとお金持ちのように思われがちですが、ビンボウですが好きでコツコツとやっている人もいます。旧車を通じて人とのつながりが広くなり、人間としても成長したかもしれません」と語る。

 オーナーの元に来たのは取材の20年ほど前のこと。友人から、しばらく眠っていたGTOを直してくれないかと頼まれた。オーナーがメンテナンスをして走るようにしてあげたところ、よかったら乗っていてくれないかと託されたのだという。青春時代の思い出が詰まったGTO。オーナーなら面倒を見てくれると思ったのだろう。その思いに応えるように、GTOは今も走り続ける。


ヘッドレスト一体型のフロントシート。センターピラーのないハードトップ構造で、サイドウインドーはフルオープンにできる。
 

【1】【2】から続く


1970年式 三菱 ギャラン GTO MR(A53C)
Specifications 主要諸元
全長4125mm
全幅1580mm
全高1310mm
ホイールベース2420mm
トレッド前/後1295mm/1285mm
最低地上高165mm
室内長1620mm
室内幅1300mm
室内高1075mm
車両重量980kg
乗車定員5名
最高速度200km/h
登坂能力sinθ0.48
最小回転半径4.6m
エンジン型式4G32型
エンジン種類水冷直列4気筒DOHC
総排気量1597cc
ボア×ストローク76.9×86mm
圧縮比9.5:1
最高出力125ps/6800rpm
最大トルク14.5kg-m/5000rpm
変速比1速3.197/2速2.043/3速1.273/4速1.000/5速0.845/後退3.720
最終減速比4.222
燃料タンク容量55L
ステアリング形式バリアブルボールナット
サスペンション前/後独立懸架ストラット/リーフリジッド
ブレーキ前/後ディスク/リーディング・トレーリング
タイヤ前後とも165SR13
発売当時価格112.5万円

初出:ノスタルジックヒーロー 2016年 6月号 vol.175(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1970年式 三菱 ギャラン GTO MR(全3記事)

関連記事:心おどる直列4気筒

関連記事:ギャラン

photo:ISAO YATSUI/谷井 功

RECOMMENDED

RELATED

RANKING