最古のGTO MRとおもわれる初期の1台 〜2016〜 |1970年式 三菱 ギャラン GTO MR

ギャラン GTOシリーズ唯一のDOHC搭載グレードとなるGTO MR。

       
【1970年式 三菱 ギャラン GTO MR Vol.2】

【1】から続く

 ここで紹介するGTO MRは初度登録が70年12月、車台番号A53C-09000XXという初期の個体だ。GTOの発売開始が70年の10月、MRの追加が12月であり、70年式自体が非常に珍しい。MRは0900011番から製造開始されたと言われることから、ラインオフから20台と少しということになる。登録されて走る状態のGTOとしては、おそらくMRの中で最古の1台と思われる(取材当時)。


当時もののハヤシコマンドアルミが似合う。このMRエンブレムも本来は付かない。
 

 オーナーは、このGTOを自らの手でメンテナンスしている。この初期型MRのエンジンを分解して分かったのは、後の型とは異なる個所が多いということ。エンジン内部は初期と中期とでは互換パーツがないという。プロトタイプに近い仕様なのでは、というのがオーナーの意見だ。

▶▶▶【画像23枚】MRは製造が下2桁11番からと言われている車台番号のプレートや最初期のみバルクヘッド側に付き、中期以降はラジエーター側第1メンバー上に移動した型式プレートなど

 不思議なのは、これほどまで車台番号の若い個体がなぜ東北にあったのかということ。どうやら新車時から新潟近辺にあったようなのだ。三菱の本拠地である愛知周辺や、東京など都市部へ最初にデリバリーされただろうと考えられるのだが、そこがこのMRの不思議なところなのである。


220km/hまで刻まれたスピードメーター。タコメーターはイエローゾーンが6800〜7200rpm、その上がレッドとなる。
 


【3】に続く


1970年式 三菱 ギャラン GTO MR(A53C)
Specifications 主要諸元
全長4125mm
全幅1580mm
全高1310mm
ホイールベース2420mm
トレッド前/後1295mm/1285mm
最低地上高165mm
室内長1620mm
室内幅1300mm
室内高1075mm
車両重量980kg
乗車定員5名
最高速度200km/h
登坂能力sinθ0.48
最小回転半径4.6m
エンジン型式4G32型
エンジン種類水冷直列4気筒DOHC
総排気量1597cc
ボア×ストローク76.9×86mm
圧縮比9.5:1
最高出力125ps/6800rpm
最大トルク14.5kg-m/5000rpm
変速比1速3.197/2速2.043/3速1.273/4速1.000/5速0.845/後退3.720
最終減速比4.222
燃料タンク容量55L
ステアリング形式バリアブルボールナット
サスペンション前/後独立懸架ストラット/リーフリジッド
ブレーキ前/後ディスク/リーディング・トレーリング
タイヤ前後とも165SR13
発売当時価格112.5万円

初出:ノスタルジックヒーロー 2016年 6月号 vol.175(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1970年式 三菱 ギャラン GTO MR(全3記事)

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photo:ISAO YATSUI/谷井 功

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