430セドグロ｜印象はズバリ「西部警察」の劇中車というオーナー 〜2014〜｜1981年式 日産 グロリア 4ドアハードトップ ターボ ジャック・ニクラス バージョン

半世紀以上の長い歴史を誇るセドリック・グロリア。今ではその名も消滅してしまったが、トヨタ・クラウンとともに長らく国産高級サルーンを支えてきたことは疑いようもない事実である。そして、1979年6月にデビューした430は、国産車のその後のトレンドを先取りした重要な存在だった。

【1981年式 日産 グロリア 4ドアハードトップ ターボ ジャック・ニクラス バージョン Vol.3】

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　そして、430のなかでもグロリアのみに設定されていたジャック・ニクラス・バージョン（以下：JNV）は、今ではかなりレアな存在。81年のマイナーチェンジ時に、当時のCMキャラクターを努めていたジャック・ニクラスとのパートナーシップの象徴として誕生。


同系のカラーで塗り分けた2トーンのボディカラーはJNV専用。このグレー系のほか、イエロー系とベージュ系が用意されていた。
 

　エクステリアは、同系色の2色に塗り分けた2トーンボディカラー（モノトーンもあり）のほか、サイン入りエンブレムやデカール、ブロアム仕様のフードマスコットを採用して個性を主張。固定式サンルーフ「スタールーフ」も標準装備で、アルミホイールはターボS用となる。

▶▶▶【画像26枚】ダッシュボード右側に集約されている、フェンダーミラーの調整スイッチやトランクおよびフューエルリッドのオープナー、リアデフォッガーなどのスイッチなど

　一方インテリアで目をひくのは、アメリカ・チャサム社製のグレンチェックシート。落ち着いたモノトーンカラーとはひと味違うハイセンスなシート地で、ボディ色によって3色を設定。さらに、テレビチューナーやメタル対応のドルビーNR付きカセットデッキ、6スピーカーと、豪華なオーディオもJNVの特徴だった。


ウッド調パネルが高級感を演出するインテリア。後期になり、ステアリングのデザインが変更されている。
 

　グロリア以外でも、俳優やスポーツ選手の名を冠したグレードはいくつか存在するが、JNVほど人気を集めたグレードはなかったと言えよう。

　オーナーが430を入手してから、取材当時で4年近くが経過している。しかし、購入する以前はそれほどこのクルマに魅力を感じていなかったというのが本音のようだ。というのも、430に対する印象はズバリ「西部警察」。その劇中でのイメージが強く、気になるクルマの一台ではあったものの、取り立てて欲しいクルマではなかったという。しかし、そんな430への印象も現在の愛車と出合って一変する。
「数年前から、友人の知り合いの整備工場に程度の良い430があることは聞いていました。そして、その個体をついに売却するというので見に行ったんです。年式の割にキレイで、ひと目で気に入ってしまいましたね。ほぼ即決でした」と話す。

【4】に続く

1981年式 日産 グロリア 4ドアハードトップ ターボ ジャック・ニクラス バージョン
Specifications 主要諸元
全長×全幅×全高（mm） 4690×1690×1415
ホイールベース（mm）　 2690
トレッド前/後（mm） 1415/1380
車両重量（kg）　 1455
エンジン型式　 L20ET型
エンジン種類 直列6気筒SOHCターボ
総排気量（cc） 1998
ボア×ストローク（mm） 78.0×69.7
圧縮比 7.6：1
最高出力（ps/rpm） 145/5600
最大トルク（kg-m/rpm） 21.0/3200
変速比 1速2.842/2速1.542/3速1.000/
後退2.400
最終減速比 4.375
ステアリング バリアブルレシオ式ボールナット
サスペンション前/後 ダブルウイッシュボーン/5リンク
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 185SR14（前後とも）
発売当時価格 226.3万円（ターボSの価格）

初出：ハチマルヒーロー 2014年 11月号 vol.27（記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです）

1981年式 日産 グロリア 4ドアハードトップ ターボ ジャック・ニクラス バージョン（全4記事）

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