パワフルなエンジンとUSテイストの外装メイク「街乗りで扱いやすく、夏場でも不安なく乗れる仕様にしたい」 〜2017〜|1970年式 ダットサン ブルーバード 4ドア 1600 DX Vol.1

特徴的なビレッド風のグリルは、純正グリルの塗装部分を剥離して仕上げたというアイデアモノ。また前後バンパーに装着されたカーボン製オーバーライダーは、今回の撮影のために、急きょ製作されたワンオフ品だ。

       
多彩なバリエーションを誇る日産の名機L型エンジン。花形の6気筒モデルばかりが注目されがちだが、4気筒モデルも負けない魅力を備えている。ここでクローズアップするのは、L16型改1.7Lを積み込んだ510ブルーバード。ソレックスをセットしたハイコンプ仕様のエンジンは、軽やかな吹け上がりと豊かなトルクを両立した。また、オーナーの嗜好に合せてキッチリと仕上げられた内・外装メイクも見所だ。USムードが漂うこのマシンの詳細をじっくりご覧いただこう。

【1970年式 ダットサン ブルーバード 4ドア 1600 DX Vol.1】

 旧車乗りは我慢を強いられることが多い。夏場の遠出ではオーバーヒートの不安が付きまとい、ぐずつきがちなエンジンは渋滞時などで扱いにくさもある。それも「旧車の妙味」といえるのだが、ネガティブ要素は少しでも払拭したいと考えるオーナーも多いはず。

 この510ブルーバードを所有するオーナーもそんなひとりだ。「街乗りで扱いやすく、夏場でも不安なく乗れる仕様にしたい」と千葉県の「グルービーオート」に510をゆだねた。

 元々、USテイストがあふれるクルマが好きで、20代の頃にはカマロやジャパンなどを乗り継いだというオーナー。結婚を機にクルマ趣味から遠のいていたが、生活に余裕ができたこともありサニトラを購入、そして4年前に510ブルーバードを手に入れた。

「このクルマを選んだのはアメ車っぽい雰囲気にひかれたから。年式やグレードを気にせず、ボディの状態がいいレストア済み車両を購入しました」。
 ひさびさの趣味車を堪能すべく、休日には奥さんとドライブを楽しんでいたという。しかし、真夏のドライブ中にトラブルに見舞われた。エンジンはノーマルでOH済みと聞いていたのだが、水温が上がりすぎてヘッドガスケットが抜けてしまったのだ。


▶▶▶【画像27枚】シフトまわりのコンソールもワンオフ製作。メインスイッチやスターターなど純正然とした仕上がり。技ありのドリンクホルダー設置など




純正メーターパネルに収まるのは、大森メーターの10000rpm対応のタコメーター。レブリミットの設定も可能で、軽快に吹け上がる。





センターコンソールには、亀有製の追加メーター(油温、油圧、水温)をビルトイン。灰皿の下側のパネルはワンオフ品で、オーディオやスイッチ類を違和感なくインストールしている。


1970年式 ダットサン ブルーバード 4ドア 1600 DX(P510)
Specification 諸元
■エクステリア:チンスポイラー、ワンオフオーバーライダー(カーボン)、純正改ビレッドグリル加工
■ボディ:ボディレストア、オールペイント(ガンメタ)、サイドストライプ
■エンジン:L16型改1.7L仕様(1711cc、圧縮比11.8)、亀有製鍛造φ86mmピストン、ノーマル加工オリジナルプロフィールカム(72度)、純正流用ビッグバルブ、亀有製バルブスプリング、純正加工コンロッド(フルフロー加工、バランス取り、鏡面仕上げ)、純正クランク加工(タフトライド加工、バランス取り)
■吸排気系:ソレックス44PHH、アルティア製φ50mmステンレスタコ足(4-1)
■点火系:永井電子MDI、デスビ加工(フルトラ仕様)
■冷却系:ラジエーター3層加工、ファンカップリング、シュラウド製作、16段オイルクーラー
■駆動系:亀有製φ225mm強化クラッチ、71Bミッション(S130Z用)、ニスモ製R180LSD(ファイナル3.9)
■足回り:(F)S130Z用ストラット (R)TRD製AE86用流用
■ブレーキ:(F)MK63&Vディスク (R)アルフィンドラム
■内装:ワース用ワイドミラー、ナルディ製クラシック(φ35mm)、オートルック製フルバケ(運転席)、ダッツンコンペシート(助手席)、大森製10000rpmタコメーター、亀有製追加メーター(油温、油圧、水温)、スタータースイッチ追加、センターコンソールワンオフ、カロッツェリアオーディオ&スピーカー
■タイヤ:アドバン ネオバ 185/60R14
■ホイール:RSワタナベ14×6.5J

【2】に続く

初出:Nostalgic SPEED 2017年3月号 vol.012(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1970年式 ダットサン ブルーバード 4ドア 1600 DX(全3記事)

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text : DAISUKE ISHIKAWA/石川大輔 photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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