80年代、操る楽しさを教えてくれるコンパクトFRスポーツの代名詞|1985年式 トヨタ スプリンタートレノ 3ドア GTアペックス Vol.1

アペックスは2トーンカラーが標準。なかでも取材車両のハイフラッシュ2トーンは人気色だ。

       
【1985年式 トヨタ スプリンタートレノ 3ドア GTアペックス Vol.1】

 AE86が世に送り出されたのは、1983年5月。当時のコンパクトカーがこぞってスペース効率に優れるFFに転換を図っていた時期だ。その風潮に合わせるように、5代目カローラ/スプリンターもFFに移行。しかし、スポーツモデルのレビン/トレノだけは従来のFRシャシーを引き継ぎつつ、新開発の1.6L DOHCエンジンを搭載し、それまでのFRスポーツというキャラクターを継承したのだ。そして、軽量コンパクトなボディとFRレイアウト、軽快に回るエンジンというパッケージがウケ、若者を中心にヒットしたのである。また、その素性の高さが買われ、グループAなどのツーリングカーレースのほか、ラリーやジムカーナといったモータースポーツにも多くのハチロクが参戦し、輝かしい成績を残してきた。

 こうして多くのユーザーから支持され、モータースポーツでも活躍してきたハチロクだが、じつは突出すべきスペックは何もない。1.6L DOHCの4A‐G型こそ新開発だが、足回りはストラット/4リンクと古典的だし、先進のメカニズムや気の利いた電子制御もナシ。

▶▶▶【画像16枚】バンパーにコーナリングランプがないのが前中期の特徴。後期のリトラガーニッシュとフェンダーウインカーレンズを装着した取材車両など




リアスポイラーは、スポーツパッケージとしてフロントスポイラーなどとセットで用意されていたもの。トノボードの上には、当時モノのパナソニックのスピーカーが置かれている。





オプションのリアバイザーも装着。アクリル製品なので劣化しているものが多いが、これは極上と言える状態を保持。

1985年式 トヨタ スプリンタートレノ 3ドア GTアペックス(AE86)
全長x全幅x全高(mm) 4205x1625x1335
ホイールベース(mm)  2400
トレッド前/後(mm) 1355/1345
車両重量(kg)  940
エンジン型式  4A-GEU型
エンジン種類 水冷直列4気筒DOHC
総排気量(cc) 1587
ボアxストローク(mm) 81.0x77.0
圧縮比 9.4:1
最高出力(ps/rpm) 130/6600
最大トルク(kg-m/rpm) 15.2/5200
変速比 1速 3.587 / 2速 2.022 / 3速 1.384 / 4速 1.000 / 5速 0.861 / 後退 3.484
最終減速比 4.300
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット/4リンク
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 185/70R13(前後とも)
発売当時価格 157.6万円


【2】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2014年 08月号 vol.26(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1985年式 トヨタ スプリンタートレノ 3ドア GTアペックス(全3記事)

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Text : Rino Creative/リノクリエイティブ Photo : RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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