当時つき合っていた彼女が妻。『懐かしいね』と言ってくれてます」|1988年式 トヨタ ソアラ 2.0 GTツインターボL Vol.3

バンパーモールに入る「TWIN turbo」の文字。これはもちろん1G-GT型搭載車の特権。

       
【1988年式 トヨタ ソアラ 2.0 GTツインターボL Vol.3】

【2】から続く

 ソアラの価値を大きく高める要因となったエレクトロニクスの面では、マルチコントロールパネルとトヨタ・エレクトロ・マルチビジョンが、クルマの未来を大きく切り拓いた。前者はエアコンやオーディオをひとつの液晶パネルに集約し、切り替えて操作するものだ。後者はTEMSや燃費をはじめとする車両情報などモニターに表示するほか、テレビの視聴も可能というもの。まさに画期的なこれらの機能に、当時のユーザーは夢を見て憧れを抱いた。どちらの技術も進化を続けながら現代のクルマへと受け継がれている。

 ハイパワー&ハイスペックのエンジンに先進の足回り、そして最先端のテクノロジーとエレクトロニクス……。これらはこの時代に著しく進化した分野だ。こうして見てみると、Z20ソアラはつくづく80年代を象徴するクルマだと認識させられる。バブル経済に向かう好景気に後押しされたという〝運〟も味方して、クラウン級の高額車ながらも大ヒットを記録。実力、内容、人気ともにトップレベルのモデルだけに、今回第6位にしておくのが惜しい逸材だ。


▶▶▶【画像16枚】後期で設定されたグレードで、TEMSやクルーズコントロール、新プログレッシブパワーステアリングなどを標準装備するGTツインターボLなど


OWNER’S VOICE/希少なボディカラーは懐かしい青春の思い出



 中学3年生の息子さんと一緒に登場いただいたオーナー。ソアラといえばホワイトがイメージされるが、どうしてこのレッドマイカを選んだのか。「じつは23年前、学生時代にこの色に乗っていたんですよ。それが懐かしくて。全国を探してやっと見つけた個体なんです。当時つき合っていた彼女が妻で、『懐かしいね』と言ってくれてます」と話す。「キレイな状態を保って、いつでも走れるように大事にしたい」と語った。




1G-GT型は前期では185psだったが、後期ではハイオク仕様になり200psへ。さらに、89年に細部が改良され、210psまで高められた。





小型のタービンを2基掛けすることで、ハイパワーと高レスポンスを両立。インタークーラーは、先にデビューしたGX71系では水冷式だったがZ20では空冷式となった。





エアコンが壊れていたため、コンデンサー、リキッドタンク、高圧ホース、エキスパッションバルブを交換。


1988年式 トヨタ ソアラ 2.0 GTツインターボL(GZ20)
Specification 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4675×1695×1345
ホイールベース(mm)  2670
トレッド(mm) 1460(前後とも)
車両重量(kg) 1450
エンジン型式  1G-GTEU型
エンジン種類 水冷直列6気筒DOHCツインターボ
総排気量(cc) 1988
ボア×ストローク(mm) 75.0×75.0
圧縮比 8.5:1
最高出力(ps/rpm) 210/6200
最大トルク(kg-m/rpm) 28.0/3800
変速比 1速 2.804 / 2速 1.531 / 3速 1.000 / 4速 0.705 後退 2.393
最終減速比 4.556
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ダブルウイッシュボーン(前後とも)
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 215/60R15(前後とも)
発売当時価格 333.1万円


初出:ハチマルヒーロー 2014年 08月号 vol.26(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1988年式 トヨタ ソアラ 2.0 GTツインターボL(全3記事)

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【2】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : KIYOSHI NISHINO/西野 キヨシ

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