鬼才ジウジアーロが送り出した時代のイメージリーダーカー|1985年式 いすゞ ピアッツァ XJ-S Vol.1

流麗なスタイリングは、今見ても古くささをまったく感じさせないもの。

       
【1985年式 いすゞ ピアッツァ XJ-S Vol.1】

 イタリアの工業デザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロ。初代フォルクスワーゲン・ゴルフやロータス・エスプリ、デロリアンなど数々の名車のデザインを行い、117クーペやアルシオーネSVX、アリストといったなじみ深い日本車も彼が手掛けている。また、工業デザイナーゆえ、カメラや腕時計、自転車やヘルメットといったクルマ以外の分野でも数多くの作品を世に送り出し、人々に多大なる影響を与えたのである。ここに登場するオーナーは、そのジウジアーロのデザインに心底ほれてしまったひとり。そのきっかけとなったのが、彼が手掛けたピアッツァとの出合いだ。

 ピアッツァといえば、117クーペやジェミニなどと並ぶ、いすゞを代表する乗用車の1台。1979年のジュネーブショーでお披露目されたコンセプトカー「アッソ・ディ・フィオーリ」が原形となっており、同年11月の第23回東京モーターショーでは「いすゞX」と名を変えて日本に上陸。そして1981年5月に「ピアッツァ」として正式にデビューしたのである。


▶▶▶【画像20枚】ジウジアーロデザインのメルバー・スカッキエーラのホイールなど




ピアッツァの象徴となるヘッドライト。ただしライト自体は固定されており、上部のクオーターカバーのみ開閉する。





当時最先端のワンアームワイパー。ウオッシャーノズルをアーム部に埋め込んだウエットタイプなので、ボンネット上は余計な出っ張りがなくスッキリ。





ドアミラーは、いすゞスポーツカークラブが設立した「オリエントスピード」のミラー。当時流行したアイテムだ。


1985年式 いすゞ ピアッツァ XJ-S
Specification 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4310×1655×1300
ホイールベース(mm)  2440
トレッド前/後(mm) 1345/1355
車両重量(kg)  1140
エンジン型式  G200型
エンジン種類 水冷直列4気筒SOHC
総排気量(cc) 1949
ボア×ストローク(mm) 87.0×82.0
圧縮比 8.8:1
最高出力(ps/rpm) 120/5800
最大トルク(kg-m/rpm) 16.5/4000
変速比 1速 2.450 / 2速 1.450 / 3速 1.000 / 4速 0.689 / 後退 2.222
最終減速比 3.583
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ダブルウイッシュボーン/3リンク
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 185/70R13(前後とも)
発売当時価格 176.8万円

【2】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2014年 08月号 vol.26(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1985年式 いすゞ ピアッツァ XJ-S(全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : KAZUHISA MASUDA/益田和久

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