セリカより100キロ軽いコンパクトボディが、飛び抜けて速い走りへ誘う|1973年式 トヨタ カローラ レビン 1600 Vol.2

大径のメーター、スピード(右)とタコ(左)の間に、燃料と水温のコンビメーターが付く。

       
【1973年式 トヨタ カローラ レビン 1600 Vol.2】

【1】から続く

 1972年3月、カローラとスプリンターのホッテストバージョンとしてカタログに加えられたTE27カローラレビンとスプリンタートレノ。ベースとなったのは、強化したサスペンションとクラス初の5速MTを採用したクーペ1400SRだ。DOHCヘッドを備えた2T‐G型エンジンは、ボア85mm、ストローク70mmの1588ccで、吸気バルブは43mm、排気バルブは37mmである。シリンダーブロックはOHVのT型と2T型エンジンと同じ鋳鉄製だ。ドーム型の燃焼室を備え、ピストンは鋼板ストラットを鋳込んだものを採用した。

 ソレックス40PHHキャブを2連装し、パワーウエイトレシオは当時の国産車のなかでは優秀な7.43kg‐m/psである。クロスレシオの5速MTを駆使すれば最高速度190km/hをマークし、0〜400m加速も16.3秒の駿足を誇った。また、圧縮比9.8のプレミアムガソリン仕様のほか、圧縮比を8.8としたレギュラーガソリン仕様も用意された。

 エンジンの基本スペックはセリカなどの2T‐G型と同じだ。が、車両重量は100kg以上軽いし、コンパクトだから痛快な走りを披露した。エクステリアではリベット留めのFRP製オーバーフェンダーと175/70HR13サイズのタイヤが目を引く。軽量ボディを利して飛び抜けて速い走りを見せたのが、TE27レビンとトレノである。

【画像21枚】850kg台のボディにホットな2T-G型エンジンを搭載していたカローラ・レビン。そのボディデザインなど



シンプルに中にもスパルタンな雰囲気を醸し出すインストルメントパネル周り。ステアリングはナルディ・クラシックを装着する。





とても状態のいいセンターコンソール。時計とラジオはオプションだった。オーナーはオリジナルの状態を大切にしている。





鉄板むき出しの吊り下げ式アクセルペダルとフットレストは、TE27独特のもの。


1973年式 トヨタ カローラ レビン 1600(TE27-MQ)
Specification 諸元
全長 3955mm
全幅 1595mm
全高 1335mm
ホイールベース 2335mm
トレッド前/後 1270 / 1295mm
車両重量 855kg
乗車定員 5名
最高速度 190km / h
登坂能力 tanθ0.71
最小回転半径 4.8m
エンジン型式 2T-G型
エンジン種類 水冷直列4気筒DOHC
総排気量 1588cc
圧縮比 9.8:1
最高出力 115ps / 6400rpm
最大トルク 14.5kg-m / 5200rpm
変速機 前進5段 / 後退 1段 前進フルシンクロメッシュ
変速比 1速 3.587 / 2速 2.022 / 3速 1.384 / 4速 1.000 / 5速 0.861 / 後退 3.484
最終減速比 4.300
燃料タンク容量 43L
ステアリング形式 リサーキュレーティング・ボール式
サスペンション 前/後マクファーソン・ストラット式コイルスプリング / 非対称半楕円リーフスプリング
ブレーキ 前/後ディスク / リーディングトレーリング式
タイヤ 前後とも175 / 70HR13
発売当時価格 84.1万円



【3】に続く

初出:Nostalgic Hero 2016年 4月号 vol.174(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1973年式 トヨタ カローラ レビン 1600(全3記事)

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【1】から続く

text : HIDEAKI KATAOKA/片岡英明 photo:ISAO YATSUI/谷井 功

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