「幸せを運ぶ青い鳥」世界に羽ばたいたベストセラーモデル|1970年式 日産 ブルーバード SSS クーペ Vol.1

フロントグリルやピラーベント、テールランプ下のSSSエンブレムはチェッカーフラッグ入り。走りのグレードであることを強くアピールする。

       
【1970年式 日産 ブルーバード SSS クーペ Vol.1】

「幸せを運ぶ青い鳥」というキャッチフレーズとともに登場した、ブルーバード。日産の中核を担うミドルセダン&クーペとして40年以上に渡り、愛されたロングセラーモデルとなった。なかでも高い人気を誇ったのが3代目の510型である。国内はもちろん、北米でも大ヒットを飛ばし、世界累計販売台数は150万台に達している。


▶▶▶【画像20枚】カーラジオの上にはマップランプも備わるコクピット。スピードメーターは180km/hスケールとなり、タコメーターや油圧計も設置されるインパネなど


 それほどまでの成功を収めた背景には、トヨタ・コロナとの激しい販売競争があった。装備の充実により差別化を図ったコロナに対し、ブルーバードは先進技術で対抗。新設計のL型エンジンを搭載したほか、4輪独立懸架式サスペンションを採用するなど高性能化を進め、圧倒的な支持を集めた。

 さらに510人気を不動のものにしたのが、モータースポーツでの活躍だ。サファリラリーでは総合優勝ならびにチーム優勝の2冠を達成。これを題材とした映画「栄光への5000キロ」が上映されるなど大きな話題になった。



510は、2ドアクーペや4ドアセダンのほか、バンやワゴンなども設定された。なかでもSSSクーペは高い人気を誇った。

 そうした晴れ舞台でスポットライトを浴びたのが、510のスポーツグレードとなるSSS(スーパースポーツセダン)である。標準車の1.3Lに対し、SSSは1.6LのL16型ユニットを搭載。これにSUツインキャブを組み合わせ、最高出力は100ps/6000rpmを発揮している。




リアフェンダーパネルの左右にはクーペエンブレムが配置されている。





フロントグリルやピラーベント、テールランプ下のSSSエンブレムはチェッカーフラッグ入り。走りのグレードであることを強くアピールする。



1970年式 日産 ブルーバード SSS クーペ(KP510)
Specification 諸元
全長 4120mm
全幅 1560mm
全高 1395mm
ホイールベース 2420mm
トレッド前 / 後 1270 / 1280mm
最低地上高 210mm
室内長 1635mm
室内幅 1270mm
室内高 1115mm
車両重量 935kg
乗車定員 5名
最高速度 165km / h
登坂能力tanθ 0.479
最小回転半径 4.8m
エンジン型式 L16型
エンジン種類 水冷直列4気筒SOHC
総排気量 1595cc
圧縮比 9.5:1
ボア×ストローク 83×73.7mm
最高出力 100ps / 6000rpm
最大トルク 13.5kg-m / 4000rpm
燃料供給装置 SU型ツインキャブレター
変速比 1速 3.657 / 2速 2.177 / 3速 1.419 / 4速 1.000 / 後退 3.638
最終減速比3.900
燃料タンク容量46L
ステアリング形式リサーキュレーティングボール式
サスペンション前 / 後独立懸架ストラット式 / 独立懸架セミトレーリングアーム式
ブレーキ前 / 後ディスク式 / リーディングトレーリング式
タイヤ前後とも5.60-13 4PR
発売当時価格76.3万円

【2】【3】に続く

初出:Nostalgic Hero 2016年 4月号 vol.174(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1970年式 日産 ブルーバード SSS クーペ(全3記事)

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text : DAISUKE ISHIKAWA/石川大輔 photo : MAKOTO INOUE/井上 誠

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