ショーデビューから実に19年もの間、生産が継続された1台|1974年式 ランボルギーニ カウンタック LP400 Vol.3

最初期型のLP400はオーバーフェンダーやエアロパーツの備えもなく、ガンディーニの目指したシンプルなウェッジシェイプが明快に見られる。

       
かつて、日本の子供たちを魅了したスーパーカーブーム。
中でもトップスターとしてフェラーリBBと人気を分けたランボルギーニ・カウンタックLP400。
その実像は、極めてシリアスなスーパースポーツだった。

【輸入車版懐古的勇士 1974年式 ランボルギーニ カウンタック LP400 Vol.3】


【2】から続く


 カウンタックは、まずは1971年のトリノ・ショーにて、プロトタイプ「LP500」として発表される。ところが、市販車としてはあまりにも理想主義的な成り立ちのために、オーバーヒート対策やエンジンの縮小など現実化を図るモディファイが不可欠となり、結局それから約3年の準備期間を経過した1974年頃になって、ようやく生産モデルたる「LP400」のデリバリーが正式開始されるに至る。

 V型12気筒4カムシャフト・エンジンは、LP500では4971ccから440psを標榜。最高速は300km/hに達すると発表されていた。しかし、生産型LP400では車名の「400」が示すとおり、ミウラなどと同じ3929ccにスケールダウン。結果パワーも375psまでドロップしたものの、300km/hの最高速公表値は依然として変わることなく、同じく302km/hを標榜するフェラーリ365GT4/BBと熾烈な世界最速バトルを展開したのは、あまりにも有名だ。

 こうして誕生したカウンタックだが、70年代後半からランボルギーニ社の財政的基盤が不安定となったものの、その命運は予想外に長いものとなった。1978年にはカナダの石油王にしてF1チームオーナー、W・ウルフのために製作されたスペシャル「LP500S」で実験されたボディワークを生かした「LP400S」に進化。さらに排気ガス対策によるパワー低下を補うべく4754ccに拡大した「LP500S(1982年)」。宿敵フェラーリ・テスタロッサに対抗するため、5167ccに拡大するとともに気筒あたり4バルブ化した「5000クワトロヴァルヴォレ(1985年)」。さらに1988年にはランボルギーニ社の創業25周年記念モデルとして、ボディ内外を大幅にモダナイズした「アニバーサリー」に最終進化。1990年をもって生産を終えるまで、ショーデビューから実に19年もの間、生産が継続されることになったのである。

【写真12枚】コンビネーションランプと4灯式のリトラクタブルヘッドライトが据えられるフロントフェンダーなど



3929ccの4カムシャフトV12ユニットは、6基のウェーバー社製キャブレターとともに375psを発生。あくまでスペックの上ながら、300km/hの最高速度をマークさせた。





フロントボンネットに牡牛のエンブレムがつく


1974年式 ランボルギーニ カウンタック LP400
Specification 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4140×1890×1070
ホイールベース(mm) 2450
車両重量(kg) 1065
エンジン種類 水冷60°V型12気筒DOHC24バルブ
総排気量(cc) 3929
ボア×ストローク(mm) 82.0×62.0
最高出力(ps/rpm) 375/8000
最大トルク(kg-m/rpm) 36.8/5500
変速機 5速MT
ステアリング形式 ラック&ピニオン
サスペンション ダブルウィッシュボーン+コイル(前後とも)
ブレーキ形式 ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ 前205/70VR14 後215/70VR14
新車時価格 1950万円


【4】に続く
初出:Nostalgic Hero 2016年 2月号 vol.173(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1974年式 ランボルギーニ カウンタック LP400(全4記事)

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Text : HIROMI TAKEDA/武田公実 Photo : MOTOSUKE FUJII/藤井元輔

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