コロンブスの卵的なパワートレイン・レイアウト|1974年式 ランボルギーニ カウンタック LP400 Vol.2

先行モデルに当たるミウラに比べると、より直線的かつビジネスライクなスタイルとなったダッシュパネル。タイヤハウスが室内に食い込んでくるため、ペダル周辺のスペースは非常にタイト。

       
かつて、日本の子供たちを魅了したスーパーカーブーム。
中でもトップスターとしてフェラーリBBと人気を分けたランボルギーニ・カウンタックLP400。
その実像は、極めてシリアスなスーパースポーツだった。

【輸入車版懐古的勇士 1974年式 ランボルギーニ カウンタック LP400 Vol.2】

【1】から続く

 一方、現代の目で見ても十分に未来的なエクステリアに対して、その中身は旧世代のレーシングカー/スポーツカー技術の集大成ともいうべきもの。当初スタンツァーニは、フォードGT40などに影響を受けたモノコックボディも考慮していたとの説もある。しかし、当時の生産技術では精度とコストの折り合いが付かないとの判断で、早い時期に断念したと言われている。

 そこで彼は、メルセデス・ベンツ300SLなど、チューブラー・フレームで有名な歴史的スポーツカーに勝るとも劣らない立体トラス構造の鋼管スペースフレームを採用する傍ら、V12エンジンをセオリーとは前後逆向きに搭載するという「コロンブスの卵」的アイデアを採用した。

 このレイアウトの採用により、通常ならば不可避的にホイールベースが延びてしまう縦置きミッドシップながら、トランスミッションを左右座席間に侵入させた分だけホイールベースの短縮が可能となり、横置きミッドシップレイアウトを採用していた前任モデル、ランボルギーニ・ミウラの2500mmに対し、カウンタックでは2450mm内に縦置きレイアウトを詰め込むことに成功したのだ。


▶▶▶【画像12枚】インテリアは相当に狭いものとなる巨大なトランスミッションが左右シートの間に収まるレイアウトなど




ワイパーは複雑なリンク式アームを持つシングルタイプで、巨大なウィンドシールドをカバーする。




最初期型のLP400はオーバーフェンダーやエアロパーツの備えもなく、ガンディーニの目指したシンプルなウェッジシェイプが明快に見られる。





1974年式 ランボルギーニ カウンタック LP400
Specification 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4140×1890×1070
ホイールベース(mm) 2450
車両重量(kg) 1065
エンジン種類 水冷60°V型12気筒DOHC24バルブ
総排気量(cc) 3929
ボア×ストローク(mm) 82.0×62.0
最高出力(ps/rpm) 375/8000
最大トルク(kg-m/rpm) 36.8/5500
変速機 5速MT
ステアリング形式 ラック&ピニオン
サスペンション ダブルウィッシュボーン+コイル(前後とも)
ブレーキ形式 ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ 前205/70VR14 後215/70VR14
新車時価格 1950万円


【3】【4】に続く

初出:Nostalgic Hero 2016年 2月号 vol.173(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1974年式 ランボルギーニ カウンタック LP400(全4記事)

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Text : HIROMI TAKEDA/武田公実 Photo : MOTOSUKE FUJII/藤井元輔輸入車版懐古的勇士

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