父の思い出のハコスカGT-Rを再び|1969年式 日産 スカイライン 2000 GT-R Vol.1

フロントと同じ配色となるリアのGT-Rエンブレム。

       
【1969年式 日産 スカイライン 2000 GT-R Vol.1】

 1968年10月に開催された第15回東京モーターショー。高度成長期最後の好景気である、いざなぎ景気の最中に開催された日本最大のカーショーで、プリンスと合併した日産が初めて開発、生産したスカイラインであるC10が展示されたショーとしても歴史的意味のある催しだった。

 ショーにはC10スカイラインが2台展示された。1台はショーの2カ月前に発売されたばかりの4ドアでシルバーのボディカラーの2000GT。そして、もう1台も同じような外観だが、参考出品車として用意された特別なクルマだった。説明文に「R380のエンジン搭載車」と書かれたこのクルマこそ、翌1669年2月に発売されることになるスカイラインGT‐Rのプロトタイプだったのである。

 現在のモーターショーのように派手ではないため、分かる人にだけ分かるクルマだった。しかし、プリンス時代から「スカイライン」とはレーシーなイメージにあふれたクルマだ。「とんでもないクルマがレースを席巻する」というファンの期待は裏切られることなく、6気筒DOHCのS20型エンジンを搭載し、レースシーンで大活躍することになったのだった。

▶▶▶【画像23枚】日産の頭文字「N」をあしらっただけの最もシンプルなエンブレムが付く1969年2月〜1970年10月のGT-R(つまり4ドアのGT-R)など



4ドアのGT-Rのみ付けられたGT-Rエンブレム。枠内が赤で、「GT-」が白、「R]が黄色の配色。HTでは文字だけになる。




フロントフェンダー横のSkylineの文字の横にあるGTエンブレムはGT-Rのみ赤と白の配色。





特徴であるサーフィンラインはリアホイールアーチの上を通るが、GT-Rの場合はアーチが張り出すカタチとなり、ラインを断絶。レーシングタイヤの装着が可能な形状とした。



1969年式 日産 スカイライン 2000 GT-R(PGC10)
Specification 諸元
全長 4395mm
全幅 1610mm
全高 1385mm
室内長 1775mm
室内幅 1300mm
室内高 1120mm
ホイールベース 2640mm
トレッド前/後 1370/1365mm
最低地上高 160mm
車両重量 1120kg
乗車定員 5名
登坂能力sinθ 0.490
最小回転半径 5.3m
エンジン型式 S20型
エンジン種類 水冷直列6気筒DOHC
総排気量 1989cc
ボア×ストローク 82.0×62.8mm
圧縮比 9.5:1
最高出力 160ps/7000rpm
最大トルク 18.0kg-m/5600rpm
最高速度 200km/h
0→400m 16.1秒
変速比 1速 2.957 /2速 1.858/3速 1.311/4速 1.000/5速(OD) 0.852/後退 2.922
最終減速比 4.444
燃料タンク容量 100L
ステアリング形式 リサーキュレーティング・ボール(ギア比18.5)
サスペンション前/後 ストラット・コイル/セミトレーリングアーム・コイル
ブレーキ前/後 ディスク/ドラム
タイヤ前後とも 6.45H14-4PR
発売当時価格 150万円

【2】【3】に続く

初出:Nostalgic Hero 2016年 2月号 vol.173(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1969年式 日産 スカイライン 2000 GT-R(全3記事)

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photo : YOSHITAKA TAKAHARA/高原義卓

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