オバフェンで1665mmに広がったボディ。1972年登録の撮影車両|1972年式 日産 スカイラインHT 2000 GT-R Vol.2

エクステリアのノーマル然としたイメージに合わせて、内装も純正オリジナルを重視した仕上がり。ただし、ステアリングはオーナーの好みと扱いやすさを考慮し、ダッツンコンペを装着する。

       
GT-R。その第2弾として登場したのは、1970年10月にデビューしたハードトップのKPGC10。空力性能やハンドリングを向上するために、Cピラーの傾斜を強めたクーペボディを採用。さらに、ホイールベースを70mm短くして自慢のフットワーク性能にも磨きをかけた。また車両重量は、セダンより20kgも軽く仕上げられている。

【1972年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000 GT-R Vol.2】

【1】から続く

 ハードトップのKPGC10は、メッシュのフロントグリルを採用し、リアコンビランプも横長のワンテールからブロック型に変更。フェンダーミラーは砲弾型ではなく黒塗りのタルボ型を採用した。さらに、リアフェンダーには樹脂製のオーバーフェンダーを装着し、ワイドタイヤが履けるようになっており、全幅はそれまでより55mm広がり、1665mmになった。GT‐Rのエンブレムも新型となっているが、装飾品は簡素になっている。

 ボディカラーはシルバー、赤、サファリブラウンの3色が用意された。だが、1971年9月以降のGT‐Rはシルバーだけが残され、これにホワイトを加えた2色のみの設定となっている。

 撮影した車両は、KPGC10の最終生産車といえる1972年登録の1台だ。オーナーは何台も絶版車を乗り継いでいるが、とことん走りを楽しみたいから、選ぶのは走りのいいクルマばかりである。写真を見ると新車のような輝きだが、最初からコンクールドコンディションだったワケではない。初めて対面した時は、以前のオーナーが適度にチューニングを施していたクルマで、コンディションもそれなりだった。


▶▶▶【画像31枚】リアホイールは15×8.5J、タイヤは225/50R15の組み合わせをおさめる純正オーバーフェンダーなど



メーターは純正で、1972年式はオレンジ色の針が特徴。タコメーターは10000rpm、スピードメーターは240km/hフルスケールだ。夜間はメーターが暗くて見づらいため、LEDを埋め込んで照度をアップ。





赤いシフトパターン表示はGT-Rの専用。ミッションはRB型エンジン用の71Cをベースにクロスミッション化。カチっとした現代的なフィーリングとなっている。




ABCペダルは純正を装着。アクセルペダルは、フロアに固定されるオルガンタイプだ。また、走り好きなオーナーのために、大型のフットレストを追加している。センタートンネルにしっかり固定されているため、コーナーでの踏ん張りがきく。




1972年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000 GT-R(KPGC10)
SPECICIVATION 諸元
全長 4330mm
全幅 1665mm
全高 1370mm
ホイールベース 2570mm
トレッド前/後 1370/1365mm
最低地上高 160mm
室内長 1655mm
室内幅 1325mm
室内高 1110mm
車両重量 1100kg
乗車定員 5名
最高速度 200km/h
登坂能力tanθ 0.58
最小回転半径 5.2m
エンジン型式 S20型
エンジン種類 水冷直列6気筒DOHC
総排気量 1989cc
ボア×ストローク 82.0×62.8mm
圧縮比 9.5:1
最高出力 160ps/7000rpm
最大トルク 18.0kg-m/5600rpm
トランスミッション型式 O.D付前進5段後退1段、ポルシェタイプ・サーボシンクロ式
変速比 1速 2.957 / 2速 1.858 / 3速 1.311 / 4速 1.000 / 5速 0.852 / 後退 2.922
最終減速比 4.444
燃料タンク容量 100L
ステアリング形式 リサーキュレーティングボール式
サスペンション前/後 コイルスプリング独立懸架ストラット式/コイルスプリング独立式セミトレーリングアーム
ブレーキ前/後 ディスク/リーディングトレーリング
タイヤ前後とも 6.45H-14-4PR
発売当時価格 154万円 ※データーはハイオク仕様


【3】【4】に続く

初出:Nostalgic Hero 2016年 2月号 vol.173(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1972年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000 GT-R(全4記事)

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text : HIDEAKI KATAOKA/片岡英明 photo : ISAO YATSUI/谷井 功

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