愛妻も旧車のよき理解者、目指すは夫婦で楽しむ旧車ライフ| 1975年式 日産 ブルーバードU ハードトップ 1600 SSS‐E Vol.4

ブルUでの奥さまの立場は助手席専門。しかし、自分で運転してみたい意欲は十分。ご主人の後押しもあり、ぜひ限定解除を。

       
今回の旧車オーナーは、現行車、旧車を合わせてすでに10数台を乗り継いできた自動車好き。
最近は現行車ばかりだったと言うが、1年前、楽しさを求めて現在のブルーバードUを入手。
旧車にしかない躍動感や生命感を思い切り楽しんでいるという。

【1975年式 日産 ブルーバードU ハードトップ 1600 SSS‐E Vol.4】

【3】から続く

 今回の取材、最初から最後まで奥さまのが同行してくれた。最初は、雑誌の取材なので珍しさも手伝ったのだろうと思っていたが、話をするうちに旧車ファンであることが発覚!
「今のクルマにはない、クルマが持つ楽しさやおもしろさを感じます。今のクルマは音や振動もなく快適ですが、それらは旧車が持つ躍動感や生命感のようなものを取り去った結果のことじゃないのかな、と思っています」

 旧車ファンの心情をうまく言い表したひと言で、世の中の女性が皆さんこんな感覚だったら、さらに快適な旧車ライフを送れるご主人方も多いのではないか、と思わされてしまった。

「古いクルマは運転しづらくありませんか」と聞いてみたら、思わぬ答えが返ってきた。
「運転できないんです。免許がAT限定なんです」と。


▶▶▶【画像19枚】迫力とボリューム感が好き。撮影と並行してスマホでお気に入りの愛車アングルを撮影する仲良しご夫婦など


 これほど旧車好きで旧車に理解のある奥さま、ブルーバードUの助手席だけを専用シートにしておくのはあまりにもったいないというもの。
「限定解除に挑戦したらどうですか」と水を向けてみると「運転がむずかしそうで」とやや戸惑いながらもまんざらではない様子。そこにすかさずオーナーの優しいアドバイスが加わる。
「頭で考えたら難しそうに思えるかもしれないけど、当時の人は、みんなクラッチとシフトレバーを操作してクルマを走らせていたんだからね。ごく当たり前、ふつうの運転操作なんだから、できないことはないよ。すぐに慣れるから大丈夫」
 オーナーが楽しそうに愛車の話をする様子を見る奥さま。その表情はとてもうれしそう。その奥さまの反応に満足げなオーナー。このご夫婦、けんかした時の仲直りのキーワードは「旧車」になるかもしれない。そんなことを思わせてくれるほど、ほのぼのとした旧車取材の一日になった。



このブルーバードUのために新築(?)したガレージ。しかし、最も意外だったのは奥様が旧車ファン、理解のあることだった。




ガレージ横に見えた1輪車は、実は移動式バーベキューコンロ。取材の後、仲のよいお友達を招いてバーベキューパーティーを開くとか。



ガレージの壁やラックにはブルーバードUのカタログが飾られていた。中には「ノスタルジック2デイズ2015」のパンフレットも。当日の企画「選ばれし10台」の中の1台として、ブルUは会場で走行披露した。




初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 08月号 vol.170(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1975年式 日産 ブルーバードU ハードトップ 1600 SSS‐E(全4記事)

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text & photo : AKIHIKO OUCHI/大内明彦

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