「30年ほど前に、近所のクルマ屋さんで510ブルーバードを買ったことが、エアロを作るきっかけです」｜1971年式 ダットサン 240Z　Vol.4｜SEMAショー2015ふりかえり

【1971年式 ダットサン 240Z　Vol.4】

　S30Zのトレンドとしては、ノーマルノーズにオバフェンというスタイルが主流のようだが、オバフェンの形状は240ZGの純正をベースとしたものがほとんど。そんなS30Zの定番化したオバフェンスタイルに変革をもたらすかのように登場したのが、パンデムのワイドボディキット。アメリカのラスベガスで開催された「SEMA SHOW 2015」でひと足先にお披露目され、大注目を浴びた。そのワイドボディキットをまとったS30Zが、真っ赤なボディカラーで国内に登場した際の記事をふりかえる。スタイルはもちろん、各ディテールにも迫った！

【3】から続く

「30年ほど前に、近所のクルマ屋さんで510ブルーバードを買ったことが、エアロを作るきっかけです」と語ってくれたTRA京都の三浦慶代表。そのクルマ屋さんからの依頼で、レースカー用のFRPパーツを製作したのがはじまり。その後、VIPカー、軽カー、ワゴン、現在は、シルビア、フェラーリ用などを製作。「ロケットバニー」と「パンデム」のエアロは、世界中で人気を集めている。

「S30Zは、昔ながらじゃなく、パンデムのスタイルで、今までにない新しいレーシングな形状で作りました」と三浦さん。すでに、海外からのオーダーが入ってきているそうだ。

【画像22枚】SEMAショー 2015年11月に開催された「SEMA SHOW」でお披露目され、見事に「グランツーリスモ・アワード」を受賞したパンデムのワイドボディをまとったサン・カンの「Fugu Z」など




SEMAショー
2015年11月に開催された「SEMA SHOW」でお披露目された、パンデムのワイドボディをまとったサン・カンの「Fugu Z」は、見事に「グランツーリスモ・アワード」を受賞。エンジンはRB26型のNA仕様で、9000rpmオーバーの高回転型ユニットにチューンナップ。ホイールはボルクレーシングTE37Vの17インチが収まっている。このS30Zをはじめ、三浦さんがデザインしたエアロを装着したクルマが多数展示されていた。




ドアから盛り上がり、後方が切り落とされたパンデムらしいデザインのリアオーバーフェンダーなど【写真22枚】



車高が低いこともあって、状況に合わせて車高を上げられるように、フロントの足まわりにはエアバッグを装備。エアバッグが膨らむことで車高が上がる。車高調はオータスカーズのワンオフで、Number7のショックが組み込まれている。オーバーフェンダーにツライチでフィットさせるために、かなりぶ厚いスペーサーが装着されていた。ブレーキはFD3S用を流用している。





見慣れない黒い物体は、エアサス用のエアタンク。その左側には、タンク内にエアを圧送するためのコンプレッサーを装着。タンク内の圧縮されたエアは、ホースを通ってエアバッグに送り込まれ、エアバッグが膨らむことで車高が上がる仕組みだ。ストラットの右側に見えるのは、燃料ポンプだ。


1971年式 ダットサン 240Z(HLS30)
SPECIFICATIONS 諸元
●エクステリア:パンデム・ワイドボディキット(フロントバンパー、フロントスポイラー、オーバーフェンダー、リアスポイラー)、レクサスRCF純正ラディアントレッドコントラストレイヤリング全塗装、スマートLEDヘッドライトシステム
●エンジン:L28型改3.1L仕様(3096cc:ボアφ89mm×ストローク83mm)、クロモリコンロッド、LD型クランク
●吸排気系:OERφ45mm、オータスカーズワンオフタテデュアルマフラー
●冷却系:オータスカーズ大容量アルミラジエーター
●駆動系:R200LSD
●サスペンション:オータスカーズワンオフ車高調(Number7オリジナルショック)(F)エアサス追加
●ブレーキ: (F)FD3S用キャリパー&ローター、(R)FC3S用リアブレーキ移植
●インテリア:ダッツンコンペステアリング、ダッシュ張り替え、オータスカーズ8点式ロールケージ
●タイヤ:フージャー(F)200/580R15、(R)245/40R15
●ホイール:RSワタナベ(F)15×9.5J、(R)15×10.0J

【1】【2】【3】から続く

初出：ノスタルジックスピード 2016年11月号 vol.011（記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです）

1971年式 ダットサン 240Z（全4記事）

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