コスモは登場以来、常に新しいチャレンジをし続けてきた。|マツダ・コスモ・ヒストリー Vol.2

ルーチェと姉妹車だった時代を経て、3ローター搭載車へ。

       
1967年に販売開始された初代コスモスポーツから、1996年に生産終了した4代目にあたる3ローター搭載車まで、コスモは常に時代の先を行くものとして進化を続けてきた。その歴史の流れをここでは追ってみたい。

【コスモ・ヒストリー Vol.2】

【1】から続く

 コスモAP以降のラグジュアリー路線から、コスモAPを初代コスモと見ることもできる。そして、ロータリースポーツの血脈は、1978年登場のサバンナRX−7へと引き継がれたという考え方もできるだろう。

 リトラクタブルヘッドライトが特徴的な3代目は、HBコスモと呼ばれることが多い。これはプラットフォーム名のHBから。このコスモはエアロダイナミクスと視界・視認性の追求をテーマに、開発されたクルマだった。



【画像11枚】コスモAP以降、ラグジュアリー路線となった歴代コスモ



 当初は2ドアハードトップのレシプロエンジン車のみのラインナップだったが、後に4ドアハードトップと、サルーンと呼ばれる4ドアセダンが登場。ロータリーエンジン車もラインナップに加わる。同時代のルーチェとは姉妹車でもあった。

 シリーズ途中から追加されたロータリーエンジンは、6PI(ポートインダクション)12A型エンジンを搭載する。従来のプライマリー、セカンダリーの吸気ポートに加え、セカンダリーに補助ポートを増設。2ローターに対し、4つだった吸気ポートが6個に増え、8ビット1チップマイコンを採用したポートタイミングの適正化なども行い、130psを発揮した。さらには160psを誇るロータリーターボも加わった。

 4代目のユーノスコスモは3ローターの20B型エンジンを搭載している。これはあまりにも有名な話だ。13B型654cc×2ローターにもう1ローター加えた3ローターに、シーケンシャルツインターボを搭載。280ps/6500rpmは、当時のメーカー各社による自主規制によるもので、ポテンシャルはそれ以上ともいわれた。

 コスモは登場以来、いつの時代においても、常に新しいチャレンジをし続けてきた。コスモの血脈は1996年以降、途絶えたままだが、もしも次世代のコスモが現れるとしたら、今度はわれわれにどんな未来を見せてくれるのだろう。




1981年に登場した3代目コスモ。当初は2ドアハードトップのみのラインナップ。型式はE-HBSHE、エンジンはMA型水冷直列4気筒SOHC、1970cc。





1981年10月に追加の4ドアハードトップ。その1カ月後に、2ドア&4ドアハードトップ、サルーンにロータリーエンジンのラインナップが追加となる。





1983年10月、4ドアハードトップ車のマイナーチェンジにより、前期の特徴であったリトラクタブルヘッドライトから固定式に変更された。





サルーンはルーチェと共通ボディ。ガソリン車のMA型1970cc、VC型1769ccのほか、S2型直列4気筒OHV、2209ccディーゼルも選べた。



1990年登場のユーノスコスモは、20B型3ローターエンジンのほか、13B型もラインナップ。シーケンシャルツインターボは、低速時から常時回転するプライマリーと、高速時のみのセカンダリータービンにより、なめらかな出力特性をねらった。


初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 12月号 vol.172(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

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text : NOSTALGIC HERO/編集部

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