マニュアルなのにPレンジ!? ユニークな装備、トルクグライド|1975年式 マツダ コスモAP リミテッド Vol.2

ボディサイドのプレスラインはセンターピラーの前後で分かれ、ピラーウインドーの存在を強調する。ホイールアーチにモールが付くのはリミテッドとスーパーカスタムのみ。

       
1975年10月にデビューしたコスモAPは、名車であるコスモスポーツからその名を引き継いだ、マツダのスペシャルティーカーだ。誕生から40年を経ても魅力があせることない、コスモAPを愛するオーナーの声をお届けする。

【1975年式 マツダ コスモAP リミテッド Vol.2】

【1】から続く

 コスモAPの装備の中でもユニークなのがトルクグライドだろう。リミテッドのマニュアル車のみに搭載されたこの機構は、トルクコンバーターに似た構造の装置で、これをエンジンとミッションの間に装備。クラッチ断続時のショックを吸収させ、乗り心地の向上をねらった。ちょうどこの車のオーナーは12A型搭載のカスタムスペシャルも所有しており、乗り味の違いを聞くと、リミテッドは変速時のショックが少なく感じられるという。

シフトノブにはマニュアルミッションにもかかわらずPレンジの表記。乗降時はPレンジに入れておかないと、ドアを開けたときに警告音が鳴る。
 
Pのマークが1速の横、左上についたトルクグライドのシフトノブなど【写真25枚】

 今回登場いただいたコスモAPリミテッドのオーナーは、1978年に免許を取得。最初に手に入れたのがコスモAPだった。ケンメリやセリカLBといったアメリカを意識した車が好きだったオーナー。しかし、ケンメリは中古が安かった時代で、仲間がみんな乗っていたため候補から外れた。





ウッド調のダッシュボードとステアリング。低グレード車はアルミパネルで、ステアリングも黒となる。





モケット素材のシート。ボディ色はマーガレットホワイトの場合、内装色が赤系と白系で選べた。サンライズレッド車は内装も赤。クーペのリミテッドとLの全車に、ELR付き3点式シートベルトを装備。ヘッドレスト脇のアシストグリップはリミテッドのみ。


1975年式 マツダ コスモAP リミテッド(C-CD23C)
SPECIFICATION 諸元
全長 4545mm
全幅 1685mm
全高 1325mm
ホイールベース 2510mm
トレッド前/後 1380/1370mm
最低地上高 155mm
室内長 1700mm
室内幅 1340mm
室内高 1065mm
車両重量 1220kg
乗車定員 5名
最高速度 195km/h
登坂能力tanθ 0.50
最小回転半径 5.0m
エンジン型式 13B型
エンジン種類 水冷2ローター・ロータリー
総排気量 654×2cc
圧縮比 9.4
最高出力 135ps/6000rpm
最大トルク 19.0kg-m/4000rpm
キャブレター 2ステージ4バレル
変速比 1速 3.380/2速 2.077/3速 1.390/4速 1.000/5速 0.841/後退 3.389
最終減速比 3.636
燃料タンク容量 65L
ステアリング形式 ボールナット式
サスペンション前/後 ストラット/5リンク式
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ前後とも 185/70SR-14スチールラジアル
発売当時価格 179万5000円

【3】に続く


初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 12月号 vol.172(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1975年式 マツダ コスモAP リミテッド(全3記事)

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photo: TAKASHI AKAMATSU/赤松 孝

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