40年の時が流れても、コスモAPの匂いは消えず|1975年式 マツダ コスモAP リミテッド Vol.1

前後バンパーには、黒いバンパーガードが装着されている。リミテッド以外のグレードには本来未装着だが、後付けするオーナーも多かった。エプロンは空力を意識した形状。

       
1975年10月にデビューしたコスモAPは、名車であるコスモスポーツからその名を引き継いだ、マツダのスペシャルティーカーだ。誕生から40年を経ても(2015年当時)魅力があせることない、コスモAPを愛するオーナーの声をお届けする。

【1975年式 マツダ コスモAP リミテッド Vol.1】

 コスモスポーツが1972年に生産終了し、その3年後に登場した新型コスモは、これまでのスポーツのイメージとはがらりと変わり、高級ラグジュアリー路線へと方向転換していた。

その下に左前だけリミテッドのエンブレムを伴って、左右フロントフェンダーにつく車名エンブレムなど【写真25枚】

 アメリカ市場を意識したボディデザイン。メッキ仕上げの大型フロントグリル。クーペスタイルのボディは、センターピラーにサイドウインドーを配置するなど、同時代の国産車とは異なる、個性的なキャラクターを感じさせる。

 そのラグジュアリーなボディには、マツダ得意のロータリーエンジンを搭載。ラグジュアリースポーツというジャンルを開拓した。車名のAPはもちろんアンチポリューション、低公害型エンジン搭載車であることを主張する。

 CMにはモデルの宇佐美恵子さんを起用。赤いドレスをまとった宇佐美さんとともに現れる「赤いコスモ」。そして「瞬間、コスモの匂い」というキャッチフレーズも印象に残っている方が多いだろう。デビューわずか3カ月後には、モーターファン誌主催のカー・オブ・ザ・イヤーを受賞。セールス的にも成功を収め、新時代のコスモは市場に受け入れられた。




ボディサイドで特徴的なのがBピラーに設けられたサイドガラス。ボディ強度はガラス脇の左右2本のピラーで確保している。手動式レギュレーターを回すと全開が可能。クオーターガラスははめ殺し。ガラスには東洋工業の完成検査合格ステッカーがキレイに残っている。



1975年式 マツダ コスモAP リミテッド(C-CD23C)
SPECIFICATION 諸元
全長 4545mm
全幅 1685mm
全高 1325mm
ホイールベース 2510mm
トレッド前/後 1380/1370mm
最低地上高 155mm
室内長 1700mm
室内幅 1340mm
室内高 1065mm
車両重量 1220kg
乗車定員 5名
最高速度 195km/h
登坂能力tanθ 0.50
最小回転半径 5.0m
エンジン型式 13B型
エンジン種類 水冷2ローター・ロータリー
総排気量 654×2cc
圧縮比 9.4
最高出力 135ps/6000rpm
最大トルク 19.0kg-m/4000rpm
キャブレター 2ステージ4バレル
変速比 1速 3.380/2速 2.077/3速 1.390/4速 1.000/5速 0.841/後退 3.389
最終減速比 3.636
燃料タンク容量 65L
ステアリング形式 ボールナット式
サスペンション前/後 ストラット/5リンク式
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ前後とも 185/70SR-14スチールラジアル
発売当時価格 179万5000円


【2】【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 12月号 vol.172(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1975年式 マツダ コスモAP リミテッド(全3記事)

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photo: TAKASHI AKAMATSU/赤松 孝

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