開業50周年を記念した「ファンによる」盛大なミーティング|三次試験場50周年マツダファンミーティング Vol.1|イベントふりかえり

ガードレールの脇にはファンが詰めかけ、シャッターを切り続けた。ル・マンで優勝したマツダ787B のビートの利いた4ローターのロータリーサウンドを間近で聴けるのは参加者だけの特権だ。

       
【三次試験場50周年マツダファンミーティング(イベントふりかえり) Vol.1】

 1965年6月に開業して、ロータリーエンジンからスカイアクティブ技術まで、マツダの技術を磨き、育んできたテストコース「三次試験場」が開場50周年を迎えた。それを記念して、マツダファンによって「三次試験場50周年マツダファンミーティング」が開催され、全国から1047台が参加。マツダのルーツともいえる大切な場所で、マツダの開発陣や社員、そしてオーナーが一体となった盛大なミーティングをリポート。


【画像50枚】オート三輪K360や歴代ロータリーエンジン搭載車、歴代のファミリーカーやロードスター、そして広島県警のCX-5パトカーと、試験場に集まった数多くのマツダ車など

 自動車メーカーの新車開発に不可欠な存在となっているのがテストコースだ。梶山季之のベストセラー小説「黒の試走車」を引き合いに出すまでもなく、新型車は公道だけでなくテストコースで鍛えられ、世に出ていく。日本の自動車メーカーのなかで、もっとも早い時期に本格的なテストコースを造り、新車開発に用いたのはマツダだ。東洋工業を名乗っていた1965年、時代に先駆けて200km/hで巡航できるバンク付きのテストコースを完成させ、運用を開始する。

 正式名称は「三次自動車試験場」だ。西ドイツのネーカースウルムにあるNSU社と技術提携を結び、ロータリーエンジンの開発に乗り出した東洋工業は、60年代初頭にテストコースが必要だと悟り、広島県三次市に総合試験場を建設する計画を打ち出した。

 開設は1965年6月である。数多くの名車を生み出した三次自動車試験場は、開場から半世紀、50周年の節目を迎えた。このテストコースは、マツダのユーザーやファンにとっては聖地だ。99年にはロードスターの生誕10周年ミーティングを開催した。それから10年後の2009年にはロードスター20周年ミーティングを催し、このときも大きな盛り上がりを見せている。

 ちなみにロードスターミーティングより前に、三次試験場ではクラシックカーのイベントも開催していたのだ。オールドカーファンのために1994年に催した「クラシックカー・フェスティバル」である。このイベントの成功が1999年のロードスター10周年ミーティングの開催に結びついた。そして2015年9月19日と20日、50周年記念するミーティングを開催している。


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おむすび形をした高速周回路



開場当時の三次試験場は150万㎡で、国内最大級の規模を誇った。高速周回路は全長4.3kmだ。くしくも、ロータリーエンジンのように3つのコーナーを結んだ形になっている。コーナー部分は300Rだ。基本的には4車線で、最大傾斜は45度。ステアリングを切らずに走れる設計速度は185km/hだった。軽く200km/hで巡航できる。




会場に軽オート三輪K360から広島県警のCX-5パトカーまで歴代マツダ車が集まった。

愛情が注がれベストコンディションに保っている、いずれも数えきれない逸話を持つオーナー車の数々【画像50枚】


初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 12月号 vol.172(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

三次試験場50周年マツダファンミーティング(全6記事)

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text : HIDEAKI KATAOKA/片岡英明 photo : NOSTALGIC HERO/編集部、MAZDA/マツダ

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