240ZG+TC24キャブ仕様は、ピークパワーを抑えたコンフォート重視|1972年式 日産 フェアレディ 240ZG Vol.3

レーシングマルーンをまとう外観に大きなモディファイの跡はない。だからこそ余計にボンネットを開けたときにTC24-B1Zが光る!

       
ウワサのTC24をソレックス3連キャブとともに240ZGに! そう聞けば、カリカリのチューニングモデルを連想しがちだが、なんとクーラーとパワステまで付いたコンフォート仕様というから、逆に驚きだ。美しいGノーズ付きのボディを優雅に走らせるための武器としてTC24-B1Zを選ぶ。そんな新たなるL型ツインカムの楽しみ方を大公開! 


【1972年式 日産 フェアレディ 240ZG Vol.3】

【2】から続く

 今回、240ZGに新型TC24を搭載した栃木県宇都宮市にある「アール・ファクトリー」の相原達也代表に、TC24-B1Zについて聞いた。

【画像20枚】ボディのコンディションは抜群で、パワステ、クーラー付きの快適仕様にして乗るとは、かなりのゼイタクといえる、ベース車両となった本物の240ZGなど



「『元祖』は触ったことがないので正確な比較はできませんが、TC24は素晴らしいヘッドだと思います。ツインカムにロッカーアームを入れるシステムを、今から30何年前に考えていたのですからスゴいことです。まだ組み上がったばかりでテストはしていませんが、エンジンをかけた感じは、すべての面でとてもスムーズ。これから煮詰めていけば、おもしろい存在になりそうです」とコメント。

 240ZGに搭載した新TC24-B1Zは、ヘッド単体でデリバリーされたもの。ブロックは、240ZGに搭載されていたものをOHして使っている。そのためコンロッド、クランク、キャブなどは以前から使っていたL28型改3・1L仕様そのまま。ただし、クロスフローとなるため、キャブのパーコレーションが起きにくく、また、実用的にクーラーが使えるのも利点。そんな快適仕様の240ZGだが、十分にパワフルというから、ポテンシャルの高さがうかがえる。

 組み上がったばかりのTC24-B1Zが奏でるサウンドには、期待と楽しみの響きがあった。L型チューンの歴史は、いよいよ次の章へと進む!  




クロスフローのTC24-B1Zを搭載するにあたり、エンジンの傾きは逆になる。そのため、オイルパンとオイルストレーナーはOS技研の専用品を使用。また、クロスフローとなるのため、L型のようにタコ足からの熱によるキャブのパーコレーションが起きにくく、クーラーも実用的に使うことができるそうだ。





ピロボール式で調整範囲が広いナギサオートのフロントAアームとタイロッドエンドにより、最適なアライメントに調整。





ガソリンタンク前方のスペースにホーリー製のフューエルポンプとランマックスのマグネットフィルターを装備。


初出:ノスタルジックスピード 2016年 7月号 vol.010(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1972年式 日産 フェアレディ 240ZG(全3記事)

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text : AKIO SATO/佐藤昭夫 photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔

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